NTTドコモは2月4日、ITU(国際電気通信連合)が2013年1月に規格を承認した次世代映像圧縮方式「High Efficiency Video Coding(HEVC)」で圧縮された動画を携帯機器やPCなどで復号するためのソフトウェアを国内外の事業者に向けて提供を開始することぉお発表した。

HEVCは、MPEG-4 AVC(H.264)の次世代規格に位置づけられるもので、「H.265」とも呼ばれる規格。MPEG-4 AVCと比べて、同品質の動画を約半分のデータ量に圧縮することが可能だ。

今回ライセンス提供される復号ソフトは、高効率な復号が可能であるため、スマートフォン上で処理速度が追いつかずに発生する再生の遅延やコマ落ちをなくし、滑らかな実時間再生を可能としており、動画を視聴する場合、MPEG-4 AVC比で、従来と同じ通信速度で転送を終えることが可能となる。また、PCで用いる場合、フルHDの4倍の解像度に相当する4K2K(3840×2160画素、60fps)動画の実時間再生が可能だという。

なお、同ライセンスは2013年3月より提供が開始される予定のほか、同社では今後、dビデオやdアニメストアなど、自社の動画サービスにHEVCを取り入れる検討も進めていく予定としている。

HEVC復号ソフトの概要。上が対応解像度。下がHEVCの動画圧縮効率の比較