アライドテレシスは2月4日、SDN(Software Defined Network)実現に向け、ユーザーネットワークを仮想化し、運用管理を向上させる仕組み「unified Virtual Core Fabric(u-VCF)」を発表した。
4月以降、コアスイッチ「SwitchBlade x8100」、「SwitchBlade x908」、ディストリビューションスイッチ「CentreCOM x610」シリーズ、インテリジェント・エッジスイッチ「x510」のファームウェア「AlliedWarePlus」のバージョンアップにより順次対応する。
SDNは、どちらかといえばデータセンターでの管理性を向上させる点が中心に語られるケースが多いが、アライドテレシスのu-VCFは、クラウドを利用する側であるユーザー環境の管理を容易にすることを中心に考えている。特に多数の拠点や事業所を展開する大規模な企業や事業者が、拠点単位で別々にネットワークを運用しているケースで、ネットワーク全体を一つのIPで管理することのできる仮想ネットワークを構築することを目指す。
u-VCFは、サーバ/ストレージと物理ネットワーク階層の間に入り、ネットワークを仮想化する。同社がこれまで提供してきた「Virtual Chassis Stacking(VCS)」や「Ethernet Protected Switched Ring(EPSR)」といった冗長化機能で構成される「ネットワーク・データプレーンテクノロジー」と、新たに開発された同社独自の「Allied Telesis Management Framework(AMF)」と呼ばれる、ネットワーク管理を一元化するプロトコルにより構成される。
AMFは、u-VCFの核となるもので、「オートレジリエントコネクション」「セントライズドマネージメント」「スマートプロビジョニング」といった機能で構成される。
u-VCFは、全体をコントロールするコアスイッチ「SwitchBlade x8100」により、配下にある「SwitchBlade x908」、「CentreCOM x610」、「x510」の設定・管理を「SwitchBlade x8100」のコンソールで一元的に行うことが可能になる。
また、拠点に追加されたスイッチは、x8100のラインカードのように扱うことができ、リモートでのネットワーク設定が可能になるという。
また、自律的な機能も実現され、組織変更や人事異動などに伴うActiveDirectoryの情報がRADIUSサーバを介してx8100に伝えられ、配下のスイッチのVLAN、QoS、ACL情報は自動的に更新されるようになるという。
また、プライベートクラウド内のVMを移動された場合、配下のネットワーク構成をそれにあわせて自動的に最適化することも将来実現していく予定だという。
同社によれば、このようにAMFを用いることで、ネットワークを構成している多数のネットワーク機器の一括設定や一括アップグレード、遠隔地からの管理・設定変更、機器交換時の事前設定不要といった運用が可能となり、ネットワーク管理者は、従来1台ずつ行っていたネットワーク機器の設定変更やアップグレード、遠隔地での機器交換のための出張といった労力、時間、コストから開放されるという。
当面、これらの機能は、間に他社製のスイッチが入ると実現できなくなるが、将来的には、他社製スイッチがあっても、それらを透過的に扱うことで、機能を実現する予定だという。
なお、AMFの利用には別途フィーチャーライセンスの購入が必要になる。