Integrated Device Technology(IDT)は2月1日、DDR4 LRDIMM用チップセットの提供を開始すると発表した。

同チップセットには、レジスタ付きクロックドライバ(RCD)ICやデータバッファICが含まれており、DDR4 LRDIMMに必要となる機能が含まれている。3.2Gbpsまたはそれ以上のデータ転送速度を実現するDDR4と、高速化に寄与するLRDIMMの2つを組み合わせることにより、システムの高速化、大容量化といったメリットが得られるため、同社ではメモリに強く依存するコンピューティング分野やストレージ分野などの幅広い用途で採用が進むことが期待できるとコメントしている。

今回、チップセットとして、DDR4データバッファ「IDT 4DB0124」が発表された。すでに発売済みのRCD「4RCD0124」とともに使用することで、チップセットとしての機能が完全なものとなり、LRDIMMにおけるコマンド、アドレス、クロック、データ信号の完全なバッファリングが可能になると同社では説明する。

また、LRDIMMのボトムに9個のデータバッファを、中央に1個のRCDを備えることによって、ホストコントローラのチャネルから見たとき、最大16ランクのDRAM負荷が単一負荷に軽減され、この分散型アプローチにより、スタブ長ならびにデータビット間の物理的スキューが最小化され、マルチスロットシステムにおけるLRDIMMのデータ転送速度/帯域幅性能が改善されることとなる。さらに、DDR4 LRDIMMでは、終端部における消費電力が低減できることに加え、DDR3 LRDIMMと比較して遅延を半分に抑えることができる。

加えてACPI(Advanced Configuration and Power Interface)に準拠した電力節減モードを持つため、システム全体としての消費電力を抑えることが可能である。また、バッファのトランスペアレントモードを含む一連の試験/デバッグ機能をサポートしているため、LRDIMMの製造、試験、システムレベルの検証が容易になるという。

なお、パッケージは53ボールのFPBGA。現在、特定のユーザー向けにサンプル出荷中で、4RCD0124ともに評価段階にあるという。

DDR4 LRDIMM用データバッファチップ「IDT 4DB0124」のパッケージイメージ