ユカイ工学は1月31日、スマートフォンやタブレットの入出力機能を無線で拡張し、プログラミングができるフィジカル・コンピューティング・ツールキット「monaka」を開発、販売を開始したことを発表した。
フィジカル・コンピューティングの思想に沿ったインタフェースの開発を行う場合、ソフトウェアのみならずハードウェア、意匠デザインなどの幅広い要素を含めて考える必要があるため、それぞれの分野で一定のスキルが必要となるため、人とコンピュータとのインタラクションについて深く議論を行うことは容易ではないという問題から、これまでフィジカル・コンピューティングのツールキットとして「GAINER」や「FUNNEL」、そして「Arduino」などが開発、提供され、世界中のアーティストやデザイナ、エンジニアなどがそれらを活用するようになっている。
しかし近年、スマートフォンやタブレットが爆発的に普及し、コンピュータという概念が変わりつつある。そうした変化を受けて、同社では今回、スマートフォンやタブレットを利用して、これらの開発環境で扱うことが可能なツールキット「monaka」の開発を行ったという。
同ツールキットは、iPhone/iPod touch/iPadに対応したアプリから無線で操作可能な無線I/Oモジュールで、開発言語としてはObjective-C、JavaScriptを採用(ただしJavaScriptについては2013年4月以降の対応を予定)。これにより、iPhoneやwebアプリなどの開発環境で同社が提供するライブラリを用いて開発を行うことが可能となっている。
また、iPhoneなどとはBluetooth Low Energyを利用して通信を行うため、Appleの「MFi(Made for iPad)プログラム」への申請は不要となっている。 。
8ピンのデジタルI/Oならびに3ピンのアナログ入出力(リファレンス電源1.3V)を備えているほか、UART通信端子を1ポート、I2C通信端子(デジタルI/Oと兼用)を1ポート、PWM出力端子(デジタルI/Oと兼用。最大8ピンまで対応)を1ポート備えている。基板サイズは52mm×33mmで、価格は9980円となっている。