テクトロニクス社は1月31日、低ノイズ、広帯域、同軸コネクタ使用の30GHzプロービング・システム「P7600シリーズ・プロービング・システム」を発表した。

高速のシリアル・データ規格では、設計エンジニアは差動信号を採用しているが、同製品はミニ同軸プロービング方法の採用により、同社のDSA/DPO73304D型オシロスコープを用いることで、PCI Expressなどのシリアル・バス設計における高速の差動信号を効率的に取り込むことが可能となっている。

具体的には、プローブ固有のSパラメータ・データを利用しており、プローブをDSA/DPO70000シリーズに接続すると、このデータがオシロに送られ、固有のDSPバンドパス・フィルタが生成されるほか、プローブには直接接続による2つの2.92mm同軸入力が備わっており、入力差動信号ペアを1つのオシロスコープ入力チャンネルに変換することで、DSA/DPO73304D型オシロの4チャンネルすべてで最高30GHzの差動測定が可能になる。

オシロスコープの入力チャンネルが有効に利用できるため、マルチレーンのシリアル・バスの取り込み、あるいは、高速データと100MHzリファレンス・クロック、またはI2Cなどのチップ間バス・トラフィックなどの同時取込みが可能なほか、TriMode機能も備えているため、高速シリアル信号の差動信号に対応しているのみならず、1回のプローブ接続でシングルエンド測定、コモンモード測定を行うことも可能なほか、ソルダイン(はんだ付け)接続において業界トップクラスとなる30GHz周波数帯域を可能にしている。

TriModeプロープでは、コモンモード測定と差動信号測定の両方が必要なPCI Express、SAS、Thunderboltなどのシリアル・バス規格テストに対し、DUTへの接続は1回のみで済むため、セットアップ時間を短縮することが可能となっている(TriModeでは、差動モード(A-B)、シングルモード(A-グランド、B-グランド)、コモンモード(((A+B)/2)-グランド)の切替えは、1回のボタン操作のみ)。

低ノイズ、広帯域、同軸コネクタ使用の30GHzプロービング・システム「P7600シリーズ・プロービング・システム」