三菱電機は1月30日、2012年8月から東京地下鉄(以下、東京メトロ)の東西線西船橋変電所で実施した駅舎補助電源装置(S-EIV)の実証実験の結果として、駅での消費電力を一日当たり約600kWh削減できる省エネ効果を実証したと発表した。
駅舎補助電源装置(S-EIV)とは、鉄道車両のブレーキ時に発生する回生電力のうち、近くを走行している車両だけでは消費できない余剰電力を、駅の電気設備に直接供給する装置のこと。
今回の実証実験では、東京メトロ東西線西船橋変電所に設置した「駅舎補助電源装置(S-EIV)」の実証機にて、回生電力を直流1500V架線から交流6600V高圧配電系統に変換して駅の電気設備(照明や空調、エレベーター等)へ供給し、その電力量を測定して省エネ効果と交流系統への適合性を検証したもの。
これにより、同装置で変換した電力で駅の消費電力を一日当たり約600kWh省エネを実証(10月18日から11月29日の期間に実測した平均値)。また、回生電力を交流に変換して、異常振動や高調波の影響なく交流系統に供給できること、列車の地上信号系にノイズ影響がないことを確認した。
三菱電機では、今回の実証実験結果を踏まえ、2013年4月から「駅舎補助電源装置(S-EIV)」の製品供給を予定している。