石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)は、渥美半島から志摩半島の沖合(第二渥美海丘)において、メタンハイドレートを分解し、天然ガスを取り出す海洋産出試験(ガス生産実験)を実施することを発表した。
今回の海洋産出試験は、経済産業省からの受託によるメタンハイドレート開発促進事業の一環で、2年にわたり実施される予定となっている。1月28日には、海洋産出試験の実施に向けて、地球深部探査船「ちきゅう」が試験地点での準備作業を開始。準備作業終了後、メタンハイドレート分解によるガス生産実験が実施される。
メタンハイドレートは、メタンと水が低温・高圧の状態で結晶化した物質。日本周辺海域に多くのメタンハイドレートが存在すると見込まれており、将来の天然ガス資源として注目されている。2001~2008年度に実施された「我が国におけるメタンハイドレート開発計画」のフェーズ1では、東部南海トラフ海域をモデル海域として地震探査・試掘などの調査が行われ、同海域において、相当量のメタンハイドレートが確認された。
2009年度から開始された同開発計画のフェーズ2では、メタンハイドレートを分解させて天然ガスとして取り出す技術の開発が目標となっている。