普通のオフィスプリンターでは考えられない速度で、数千枚単位の印刷も難なくこなせるうえ、ステープル止めなどの後工程までしっかり処理できる高機能なプリンター。それが先ごろ発売された「ORPHIS EX(オルフィス イーエックス)シリーズ」である。
本サイトでも先日レポートしたが、現在、理想科学工業主催の展示会「RISO Extra Value Fair」が開催されていて、実物を目にすることができる。
全国で開催されるRISO Extra Value Fairは、1月17日(木)の東京・渋谷からスタート。オルフィス EXの真価を自身の目で確かめようと、会場には初日から多くの人が詰めかけた。
本稿では、その渋谷会場の様子を簡単にご紹介しよう。
特設ステージでオルフィス EXの特長をわかりやすく紹介
RISO Extra Value Fair東京会場の場所は、昨年4月にオープンした話題のビル「渋谷ヒカリエ」。会場で来場客を最初に迎えるのが、特設ステージである。
巨大なディスプレイと2台のオルフィス EXが設置された特設ステージでは、映像と実機の双方を使ってパフォーマンスや利便性の高さがアピールされた。オルフィス EXに備わる機能だけでなく、それらを支える技術も簡単に紹介され、来場者は熱心に聞き入っていた。
筆者が会場にいた間、特設ステージのデモンストレーションは、どの回もほぼ満席。来場者は、製品の特長を知った後、各展示ブースで自社に合った実機を確認する流れで検討を進めていた。
圧倒的な速度を体感! 150枚/分の快速プリンター
会場内には、ユーザーの利用シーンを想定し、さまざまなオプションと組み合わせたモデルが、5つのブースで展示されていた。
最初のブースにあったのは、オルフィス EXにスキャナーとオフセットステープル排紙トレイを組み合わせたオフィス・スタンダードモデルだ。
ここではオルフィス EXの最大の特長の1つである高速印刷などを実演。1分間に最大150枚が印刷される様子を目の前で確認できる。事前に告知サイトの動画で確認していた筆者だが、実際のスピードを目の当たりにし、その速さに驚いた。一般的なオフィスプリンターの"高速"というレベルは大きく超えている。
指定枚数ごとに左右に振り分けながら積み上げるオフセット排紙(区分積み) も相当なスピードだった。オフセット排紙の場合でも、1分あたり120枚のハイスピードで印刷可能という。最大1000枚まで積載できるというトレイに、1部単位でどんどん積み上がっていく様子が頼もしい。
さらにステープル処理のスムーズさも圧巻だった。トレイに指定枚数が自動でステープル止めされて積み上げられる。一般的なプリンターで印刷し、手作業で指定枚数ごとにとってステープル止めするのに比べると、あまりにもスムーズで高速だ。
本体サイズは一般的な複合機とさほど変わらないものの、印刷速度も、できることも段違い。来場者からも驚きの声があがっていた。
紙折り/パンチング/中綴じ冊子作成までこなすマルチフィニッシャー
オフィス・スタンダードモデルに次いで人を集めていたのは、「マルチフィニッシングモデル」の展示ブースである。
こちらのモデルは、本体にマルチフィニッシャーと紙折りユニットが取り付けられていて、これらのオプションで紙折りやパンチといった後処理が行われる。
紙折りは、2つ折り、内3つ折り、外3つ折り、Z折りと、多彩な折り方が可能。会議資料や簡単なリーフレットづくりなどもスムーズにこなしてくれる。
また短辺/長辺にパンチ穴を空ける機能も備えており、ファイリングにも便利。さらに2つ折りした用紙を重ねて真ん中をステープルした「中綴じ冊子」まで作れる。これもパンフレットや資料の作成に大きな効果を発揮してくれるだろう。
もちろん、ステープル止め機能や、1部ずつ交互にずらして積み上げるオフセット排紙機能も搭載している。オフィスで必要とされるほとんどの機能が詰め込まれているといってもよいのではないだろうか。
しかも、驚くのは、これだけいろいろな作業をしているのにもかかわらず、動作音が少ないのである。もちろん相応の雑音はあるが、稼働機の前でも会話が可能だ。小さな声でも十分聴きとれる。オフィスに設置した際に周囲から疎まれるということはあまりなさそうだ。
大量印刷/DM送付/本格的冊子作成などさまざまな用途に対応!
このほかにも、特定業務を想定した多彩な実機が展示されていた。もちろん、どれも実際にその動きを確認することができる。
例えば、大容量給紙/排紙ユニットを取り付けた「帳票出力・大量プリントモデル」である。こちらのモデルでは、一度に最大4000枚の給・排紙が可能だ。多数のユーザーに対して定期的に帳票を送付したり、大量のチラシを印刷するような用途に適している。
4000枚も印刷すると、当然運ぶのも一苦労となる。そんな担当者の負担を減らすために、排紙ユニットの中には台車が内蔵されている。印刷物は自動的に台車の上に積み上げられ、そのまま後工程の部署などに持って行くことができる。もちろん1部ずつ交互にずらして積み上げることもできるため、仕分けの手間も省ける。
また、メーリングフィニッシャーを備えた「自動封入・封かん対応モデル」では、プリントしたものを3つ折りして封入し、封かんするところまでを自動処理してくれる。
専用封筒用紙が用意されていて、封入物に薄紙(52g/m2)を使えば最大6枚まで封入できる。宛名印刷はもちろん、内容物の差し替え印刷もできるというから、請求書の送付や相手先によって文面の違うDMなどの作成も可能。おもしろいのは排紙部分の仕組みで、標準では完成した封書が積み上がるかたちになっているが、部数が多いときは、部品の差し方を変えて、下に置いた箱や袋に直接排出していくことができる。排出が完了したら箱や袋に入れたまま運ぶことができるから、郵便物を持ち込む際のひと手間を省くことが可能だ。
さらに会場では、くるみ製本を行うモデルも展示。こちらを使うと、表紙を糊づけして製本した無線とじ製本の冊子が簡単に作れる。
くるみ製本できる最大ページ数は、中面に85g/m2を使った場合で600ページ。表紙も本文もオルフィス EXで印刷して製本まで自動化することが可能になる。社内での配布物やプレゼン資料はもちろん、製品マニュアルなどにも使えそうだ。学習塾や学校といった教育機関ならばテキストや保護者資料などを作るのにも活躍してくれるだろう。
多彩なサンプルで実際の仕上がり具合をチェック!
この展示会では、後処理機能の仕上がりや、印刷物のクオリティが確認できるサンプルもたっぷりと用意されている。さまざまな内容のサンプルが用意されているため、実際に自分が使うのに近いものを見つけやすいのがうれしいところだ。来場者も厳しい目で仕上がり具合を確認。サンプルを持ち帰る人も多かった。
特に注目したいのは、カラープリントのクオリティと薄紙へのプリントだ。
まずカラープリントについては、さすがに写真用のインクジェットプリンターに比べると彩度で劣るものの、高速印刷につきものである色ずれなどはない。文字はもちろん写真もきれいに印刷されており、必要十分な表現力を備えているという印象だ。
薄紙プリントについては、用紙そのものにも注目したい。「理想用紙IJ Eライト」という用紙が本体と同時発売されたのだが、手にとってみると本当に薄いのだ。触った瞬間確かに薄さと軽さが感じられ、ほかの用紙と重ねて透かすと後ろにある用紙に印字された文字が読めるほどに薄い。それなのに、黒い文字の部分も裏側にインクがにじんだりはしない。これは透けづらい新インクを採用しているためだという。この薄紙を郵便物などに使えば配送料の削減につながるうえ、書類を多数ファイルするようなオフィスでは保管スペースも削減できるはずだ。
会場は、十分な余裕を持って展示されているため、オルフィス EXの動きをじっくり見ることができるし、スタッフも多く丁寧な説明が受けられた。
展示会では、カタログを見ているだけではわからない、オルフィス EXの動きや実際のサイズ感、動作時の音なども全てがわかる。現在のオフィスプリンターに不満を感じている人は、理想科学工業のWebサイトで展示会情報や製品情報をチェックしてみてほしい。