Integrated Device Technology(IDT)は、複数の同期出力を備えた高性能クワッド周波数MEMS発振器「4E」シリーズを発表した。

同シリーズは、機能拡張された±50ppmのMEMS発振器で、同期CMOS出力と共にLVDS出力またはLVPECL出力を1つのパッケージに収めており、外付けの水晶または第2の発振器が不要となっている。最大周波数は600MHzであり、回路基板面積を削減、アプリケーション回路を単純化できる他、LVDSまたはLVPECLの周波数源が必要な任意の高性能アプリケーションにおいてBOMコストの削減に寄与する。さらに、2本の制御ピンで工場出荷時に設定した4つ出力周波数から選択できるので、1つのデバイスで4個の部品を置き換えることができる。これにより、部品点数を削減し、在庫を統合するなど、コストの改善が図れる。

また、業界標準の6ピンのCMOS、LVDSまたはLVPECL発振器の物理的な形状やピン配列で設計されている。さらに、既存の6ピンソケットとの上位互換性を維持するために、4本のピンを追加(合計10ピン)している。これにより、新しい設計のための追加機能を提供すると同時に、既存のソケットで同製品を利用することができる。この他、3つの異なる出力の組み合わせとなるLVDSとCMOSの出力、LVPECLとCMOSの出力、3つの同期CMOS出力も選択できる。これにより、多様なアプリケーションにおいて革新的なデバイスを柔軟に使用することができる。

なお、パッケージは7.0mm×5.0mmのVFQFPN。現在、特定のユーザー向けにサンプルを出荷している。標準的な周波数の大半を用意しており、カスタム周波数にも要求に応じて設定できるという。

複数の同期出力を備えた高性能クワッド周波数MEMS発振器「4E」シリーズ