Infobloxはマクロミルと共同で、全国の従業員100名以上の組織に所属するシステム部門の社員やネットワーク管理者に対して「システムに関するアンケート」をインターネットリサーチ方式にて実施した(調査期間: 2012年12月11日~12日、有効回答数: 309)。調査対象は技術系会社員が全体の67%、事務系会社員が23%であり、自社のネットワーク管理を中心に択一方式にて質問を行った。前回は管理状況を主に報告したが、後半では管理ツールの導入状況や計画に関する項目を中心にお伝えする。
約半数が「管理者によるネットワーク機器の設定ミスでのトラブル」を経験
まず「導入経験及び時期」について尋ねたところ、「経験がある([1ケ月以内]、[3ケ月以内]、[6ケ月以内]、[1年以内]、[それ以上前]の合計)」との回答が最も多かったのが、「管理者によるネットワーク機器の設定ミスでのトラブルの経験」で合計48.5%と約半数に及ぶ。これは、2人に1人が、ヒューマンエラーを経験していることになる。次に多かったのが、「社内のDNSサーバのトラブルによる一時的なネットワークの停止の経験」で合計43%、さらに「仮想サーバ環境構築時のトラブルの経験」が35.9%、「社内のDHCPサーバのトラブルによる一時的なネットワークの停止の経験」が34.9%と3割以上がサーバトラブルを経験していることが明らかとなった。
また、「BYOD(個人の持ち込み端末のネットワーク接続の許可)の導入開始時期」については、約2割が導入したものの、残り8割が導入していないと回答。「VDI(仮想デスクトップインフラ: Virtual Desktop Infrastructure)の導入開始時期」については、7割超が導入していないという結果となった。こうした状況を鑑みても、クラウド化や管理端末の多様化が余儀なくされるなかで、今後ますますこれらの導入が増え、同時に前述に示したトラブル対策が必要となってくるといえるだろう。
4割が「今後、ネットワーク自動運用管理ツールが必要」と回答
一方、以下の14項目について「導入の有無」を尋ねたところ、「必要を感じるし導入済み」との回答で最も多かったのは、「サーバの仮想化」(52.8%)であった。また、33.7%が「ネットワーク機器の仮想化」を導入済みと答えている。
導入有無や必要性に関する14のアンケート項目
・DNS専用アプライアンス機器
・DHCP専用アプライアンス機器
・IPアドレス管理専用アプライアンス機器
・DDI(DNS/DHCP/IPアドレス管理)専用アプライアンス機器
・ネットワーク自動運用管理ツール
・DoS/DDoS対策アプライアンス機器
・仮想環境におけるIPアドレス自動付与&管理ツール
・アプリケーションファイアウォール
・WAN高速化装置
・VDI(仮想デスクトップインフラ: Virtual Desktop Infrastructure)の導入開始時期
・サーバの仮想化
・ネットワーク機器の仮想化
・VoIP(IP電話)
・社内のネットワーク機器の自動検知&トポロジーマップ作成機器
「必要性は感じるが未導入」の回答者のうち、「ネットワーク自動運用管理ツール」が最も多く43.4%で、「導入済み」と合わせて約7割が「必要性を感じる」と答えている。続く「社内のネットワーク機器の自動検知&トポロジーマップ作成機器」(42.4%)の結果も含め、ネットワークの運用管理に対する円滑化を望んでいる状況が明らかとなった。
さらに、「必要性は感じるが未導入」と思う項目については、「DNS専用アプライアンス機器」が33.0%、「DHCP専用アプライアンス機器」が33.3%、と「IPアドレス管理専用アプライアンス機器」が38.8%と、IPアドレス関連の機器に対する必要性は理解しているが、今度導入を感じている現状が見て取れた。
この結果を俯瞰すると、IPアドレス管理ツールや統合的なネットワーク管理ツールが「必要性を感じている」とされる傾向にある。このことからも、総じて現在のネットワーク管理の複雑性・多様化が運用管理者の新たな需要を生み出しているといえるだろう。と同時に、前回もお伝えしたとおり、IT運用管理予算や管理者の人数はけっして増加傾向にあるとはいえず、むしろ横ばい・減少にある。このようななかで、どのように全体の運用管理を定義し、機器やソフトウェアを導入していくかを見通していく必要があるといえる。
2月1日(金)に開催される『ネットワーク運用管理セミナー』では、調査を実施したInfobloxのAPACマーケティングマネージャ 中村真氏が、この調査結果をもとに、現場のIT管理者から見たネットワーク管理の現状と問題点について詳しく解説する予定だ。ぜひ会場に足をお運びいただきたい。