CA Technologiesは1月23日、2013年のITトレンド予測トップ6を発表した。

予測トップ6は「ビッグデータの成長」、「企業各社がパブリック・クラウドを導入」、「アイデンティティがパスワードに取って代わる」、「IoTですべてがインテリジェントに」、「企業におけるモバイル/ソーシャルの優先」、「DevOps(開発と運用の協働)の台頭」。詳細は以下のとおり。

「ビッグデータの成長」

2013年中にROI(投資対効果)が実証されると予想され、さらにクラウドと合わせることで、ビッグデータは成熟したビジネス価値をもたらす手段として定義されるようになる。また、ビッグデータ・インフラストラクチャは、ソーシャル・メディアやオープンソース等からデータを収集することができ、そのため運用やセキュリティ対策への強化が劇的に求められるように、また、ビッグデータ導入のリスクは大きく減少し、ビッグデータがイノベーションにおけるITのリーダーシップを加速する。

「企業各社がパブリック・クラウドを導入」

様々なサービス・プロバイダ(SP)による提案の広がりに加速されるかたちで、企業各社は様々なパブリック・クラウド・サービスを導入することになる。SP各社がそのビジネス・モデルと技術を展開するにつれ、様々なクラウド・サービスが急伸する。さらに、クラウドは今後、単なるひとつのビジネス手法として認識されるようになり、クラウドというバズワードは一般化。すでにメインフレームを保有する企業はクラウド技術を導入し、メインフレームはよりスピードを上げてクラウドへ向う。

「アイデンティティがパスワードに取って代わる」

企業が様々なクラウド・サービスを導入して社外の顧客やパートナーとグローバルに協業するようになるにつれ、セキュリティのボーダレス化が進み、「アイデンティティ」の重要性がますます高まる。パスワードの時代は終わり、強固に認証されたアイデンティティこそが、セキュリティのキーとなり、認証強化モデルは市場にさらに浸透し、デバイス、トランザクション、ロケーションなどに適したリスクベース認証が増加する。市場は、パターン作成、画像認識、携帯電話による認証、音声、生体測定といったよりインテリジェントな認証方法に向かうと予想される。

「IoTですべてがインテリジェントに」

モノのインターネット(IoT:Internet of Things)が世に根付くにつれ、大多数の最新モバイル・デバイスで様々なセンサ技術の開発が進む。デバイスにセンサが内蔵されることにより、家電のみならず、災害対策や、ヘルスケア、IT、交通制御のためのネットワーク、スマートグリッド、ユーティリティ・コンピューティングにつながるアプリケーションを動かすことができるようになり、それらの技術により、データ・トラフィックやプライバシ、エンドポイントを運営、保存、分析、保護することが必要となり、ITに対する需要は更に増加する。

「企業におけるモバイル/ソーシャルの優先」

企業はまず優先的にモバイル/ソーシャル環境向けに開発を行い、次に従来の各プラットフォーム向けに開発、もしくは従来の環境をまったくサポートすることなく開発を進めるということが起こる。また、コンシューマライゼーションは加速化し、企業においても一般ユーザが携帯アプリで体験しているような高度なユーザ体験を体験できるようなる。同時に、モバイルやソーシャルITの管理は、デバイスそのものの管理・保護ではなく、むしろユーザ体験を損なわずにモバイル・アプリや、モバイル・データを管理し、そのセキュリティを確保することに変化する。

「DevOps(開発と運用の協働)の台頭」

非常に複雑であるがために、コーディングを始める時点からすでにその先の運用のことを考慮しておかなければならないような環境が出てくると考えられる。アジャイルへの移行は、開発担当者、テスト担当者、品質管理担当者といった様々な職種の担当者がひとつにまとまることで、DevOpsは経験が主導する設計を推進していく。DevOpsにより、ITILのような伝統的な各種フレームワークは更に構成を変化させる必要が出る。それらの最も価値ある概念を引き出し、最新のアジャイル型開発に適合させていくことにる。このような現状において、クラウド、モビリティ、DevOpsは業界におけるひとつの潮流となりつつある。