米Googleが1月22日(現地時間)に発表した同社2012年度の第4四半期(2012年10月-12月)決算は、利益がアナリストの予想を上回った。昨年の年末商戦で、広告主が資金をオンライン広告に振り向けたことが追い風になった。また近年の同社の大きな課題であったモバイル広告に成長の兆しが見えた四半期となった。
12月期の会計原則 (GAAP) ベースの純利益は28億9000万ドル(前年同期比7%増)で、希薄化後1株あたりの利益(EPS)は8.62ドル。非GAAPベースでは35億7000万ドルで、EPSは10.65ドル。アナリストの予想は10.50ドル前後だった。
売上高は144億2000万ドルで、前年同期比36%増。内訳は、Googleのサイトからの売上高が86億4000万ドル (前年同期比18%増)。これはGoogleの売上高の67%に相当する。Googleネットワークと呼ばれるパートナーサイトからの売上高は34億4000万ドル (同19%増)で、Google売上高の27%。Motorola Mobileの売上は、連結売上高の11%に相当する15億1000万ドルだった。
ペイドクリック数は前年同期比24%増、前期比9%増。クリック単価は前年同期比6%減、前期比2%増だった。ここしばらく、Googleはペイドクリック数が増加する一方で、クリック単価が大幅に下落する傾向が続いていた。これには2つの原因が考えられる。1つはオンライン広告の競争激化の影響。もう1つはモバイル広告への移行だ。後者については、モバイル広告は市場開拓の途上であり、広告効果を疑う広告主が多く、まだ広告料金が抑えられている。New York Timesは「広告主はモバイルデバイスの広告に、(通常のオンライン広告の)半分程度しか支払っていない」と指摘している。しかしながら、12月期のクリック単価は前年同期からの減少率が一桁台におさまり、前期比では増加した。Googleのマルチスクリーンへの広告提供が軌道に乗ってきた兆しと評価されている。
通年業績は、売上高が501億8000万ドル、純利益は107億4000万ドル (1株当たり32.31ドル)だった。Google CEOのLarry Page氏は「昨年は初めて通年売上高が500億ドルを超えた。わずか15年の到達点としては悪くない」とコメントしている。