Infobloxはこのほど、マクロミルと共同で全国の従業員100名以上の組織に所属するシステム部門の社員及びネットワーク管理者に対して「システムに関するアンケート」をインターネットリサーチ方式にて実施した(調査期間: 2012年12月11日~12日、有効回答数: 309)。

半数近くが「ネットワークの運用や設定が同じ作業の繰り返し」で、4割強が実際に「設定ミスでトラブルを起こしたことがある」

最初に「ネットワーク管理の現状」について尋ねたところ、「ネットワーク機器が複数拠点に分散している」が67.6%、「仮想デバイスと物理でバイスが混在した環境にある」が44.3%と、社内のネットワーク環境が複雑になってきていることがわかった。そのような現状を背景に、「ネットワークの管理の運用負荷は増加傾向にある」が59.2%と、管理事項が増加・複雑化した現状が浮かびあがる。

また、そのようなネットワークの状況において、また「ネットワークの構成図を持っていない」が28.2%、「ネットワーク機器の台帳管理を持っていない」が29.8%と3割近くが自社のネットワークの状況を把握していないことが明らかになった。

さらに、「ネットワーク機器の運用や設定管理はほぼ同じ作業の繰り返し」が44.7%に達し、一方で「ネットワーク機器の設定ミスでトラブルを起こしたことがある」が44.3%となっており、簡単なネットワーク管理作業を手作業で行っているがゆえにネットワークのトラブルが発生している状況が見てとれる。

ネットワーク管理の現状に関する調査結果

「IPアドレス管理」の必要性を理解していてる中で未対策多し

前述の管理状況に対し、「ネットワーク管理に対する問題意識」について尋ねたところ、「問題だと思う」と応えた質問で「デフォルトのIDとパスワードのままのネットワーク機器が社内のネットワークに接続されている」が75.0%。同様に、「会社のネットワークの構成図をもっていないこと」が76.4%、「ネットワーク機器の台帳 管理(製品名やOSバージョン、シリアル番号等)がない」が75.1%、「誰にいつどのIPアドレスが付与されたかを管理していない」が 70.9%、「各ネットワーク機器の設定ファイルをバックアップしていない」が76.1%と、7割以上の企業が端末やIPアドレスを管理することの重要性を指摘している。

一方で、「問題だと思うが、まだ対策していない」及び、「問題だと思わないし対策していない」の合計が3割を占める、"未対策の管理方法"には、「複数台あるDHCPサーバのアップグレードを一台毎に行っている」(合計29.7%)、「複数台あるDNSサーバのアップグレードやパッチ のインストールを一台毎に行っている」(合計28.5%)などがあった。こうした個別の端末一台一台への対応が、前述の「運用負荷」としての 要因のひとつになっている可能性も否めない。

ネットワーク管理管理の問題点に関する調査結果

端末数や仮想化が増加する一方、IT運用管理予算と管理者の人数が減少

一方、「過去2年間での増加または減少の状況」については、図3([GRAPH008])のとおり。「ネットワークにアクセスする端末(社内での管 理端末、持ち込み端末)の数」において「増加傾向にある」と答えたのが43.7%(10%以上増加(6.8%)、5%以上10%未満の増加(13.6%)、 5%未満の増加(23.3%)の合計)と最多となった。

また、「仮想サーバ」においても、「増加」と答えた合計が41.8%と、近年のクラウド対応を受けた結果が 浮かび上がった。また、相対的に減少傾向として突出しているのが、「全体的なIT運用管理予算」と「ネットワーク管理者の人数」であった。これにより、管理する範囲は増えているものの、人員や予算が対応しきれず、前述の「運用負荷」を生じさせているといえるだろう。

過去2年間におけるシステム管理で増加・減少している要素に関する調査結果

2月1日(金)に開催される『ネットワーク運用管理セミナー』では、調査を実施したInfobloxのAPACマーケティングマネージャ 中村真氏が、この調査結果をもとに、現場のIT管理者から見たネットワーク管理の現状と問題点について詳しく解説する予定だ。ぜひ会場に足をお運びいただきたい。