富士通は18日、UNIXサーバのラインナップを刷新し、「SPARC M10」を提供開始すると発表した。「SPARC M10」は、処理能力に合わせ、「SPARC M10-1」、「SPARC M10-4」、「SPARC M10-4S」の3モデルが用意されている。

右は富士通 システムプロダクトビジネス部門長 執行役員常務 豊木則行氏、左がエンタプライズサーバ事業本部長 執行役員 野田敬人氏

発表会では、富士通 システムプロダクトビジネス部門長 執行役員常務 豊木則行氏が登壇し、現状のUNIXサーバ市場にかける思いを述べた。豊木氏は「UNIXサーバの市場はフラットながら性能あたりの単価が年々下がってきている」としながらも、「メインフレームでやっていたことをオープンで、というような今までのやり方ではなく、新しいこと、特にビッグデータを活用したり、業務系/基幹系のシステムなどに期待したい」と述べた。その上で、IBMを眼前のライバルとし、「オラクルと2社のチカラを合わせて、IBMをブチやぶっていきたい」と、語った。

「SPARC M10-4S」

「SPARC M10」は、新プロセッサ「SPARC64 X」を搭載し、「最大64CPU,1024コア」を使った高速リアルタイム処理が行える。10進演算、暗号処理、コピーなどのソフトウェア処理の一部をプロセッサとメモリ間の距離を最小化し、メモリアクセスの高速化が実現した。またプロセッサあたり512GBの大容量メモリをサポートする。

最上位モデルでの「SPARC M10-4S」では、筐体を連結し、1台のサーバで使用可能なビルディングブロック方式を採用。顧客ごとのシステム用件に応じて最大16筐体まで連結できる。最大構成時には64CPU/1024コアという高いスケーラビリティの実現ができる。また用途に応じて、2コア単位での細やかなCPUの性能増強による段階的なサーバリソースの拡張ができる。また、標準で提供される仮想化機能を使用することで、同一筐体内で異なる4世代のSolarisの混在ができ、旧環境からの移行、旧資産の有効活用ができる。

プロセッサでは全回路にエラー検出機構とハードウェア自身でエラー修復を行うリカバリー機構を装備し、ダウンタイムを最小限に抑えるようなディスクドライブ、電源、ファンなどのキーコンポーネントのホットスワップ対応と冗長構成、メモリミラー機能などを有する。さらにメインフレームクラスの優れたRAS機能を実現し、顧客システムの24時間365日安定稼働が図れる。

価格構成は、「SPARC M10-1」が1U、CPUが最大1個で2.8GHz、メインメモリが最大512GBで220万円より、「SPARC M10-4」が4U、CPUが最大4個で2.8GHz、メインメモリが最大2TBで571万円より、「SPARC M10-4S」が4U、CPUが最大64個で3.0GHz、メインメモリが最大32TBで1,517万円より(全て税別)。

発表会のスライドショー