大日本印刷(以下、DNP)と日本ユニシスは、2012年8月9日に発表した業務提携に基づき、新規市場拡大を実現する事業基盤を両社連携して強化すべく、4つの領域での取り組みを推進していくと発表した。2016年度に両社で500億円の連携売上を目指すという。
具体的な取組みは、次のとおり。
- 両社顧客への提案力強化を目的とした「マーケティング・販売連携」
- 両社の事業を推進する上でのベースとなる「サービス事業基盤の強化」
- 企業とその先の顧客への対応力、スピード力を強化する「マーケティングプラットフォームの共同開発・展開」
- 両社の成長戦略における重点テーマである「グローバル展開」
「マーケティング・販売連携」では、業務提携後の同年10月1日には業務提携を推進する組織をそれぞれ設置し、10月から12月の3カ月間で200件以上の連携提案を実施。それぞれの強みを融合させた新しい販売連携を既に以下の分野で開始し、順次進める。
- 電子出版関連:DNPのエリア限定の電子書籍配信サービスと日本ユニシスのエリア限定の情報配信サービスの連携
- 電子図書館関連:DNPの電子書籍コンテンツ配信サービスと日本ユニシスの電子図書館システム開発・運営の連携
- BPO関連:DNPのDMなどの通知物や電子帳票関連のBPO(Business Process Outsourcing)サービスと日本ユニシスの企業向け基幹系クラウドサービスの連携
- 社会基盤関連:DNPのデジタルサイネージ向けコンテンツ制作・配信サービスと日本ユニシスの災害におけるクラウド環境での情報配信サービスの連携
「サービス事業基盤の強化」では、両社の事業を推進するベースとなる、両社のデータセンターとクラウドを基盤とした国内最大規模の高品質なサービス網を構築し、現状の両社の顧客に限らず、幅広い顧客に対してクラウド技術を活用した最適なサービスを提供する体制を整備する。
具体的には、DNPが建設する自社データセンターに、日本ユニシスのエンタープライズクラウド基盤を導入するほか、両社の国内外11カ所の主要データセンターを連携させるとともに、クラウド運用、保守、コールセンターを統合させ、BCP(事業継続計画)やディザスタリカバリ(災害・障害復旧)への対応を行う。
また、両社の研究・開発が連携し、両社の保有する技術を使った製品・サービスのプロトタイプを、既存サービスやコンテンツと組み合わせた新サービスの創出や、市場ニーズとのマッチングを図るプロトタイピングセンターを推進、両社連携によるシステム開発プロジェクトを支援するプロジェクトマネジメントオフィス(PMO:プロジェクトが円滑に実施されるよう支援する組織)を整備する。
「マーケティングプラットフォームの共同開発・展開」では、新たなサービスとして、企業とその先の顧客とのコミュニケーションや購買活動の新しい形を実現するマーケティングプラットフォームを共同で開発・展開。また、マーケティング以外の領域についても、スマートソサエティ領域などで市場のニーズや顧客の要望に応じて最適なプラットフォームを来年度中に開発・連携していく。マーケティングプラットフォームの重点領域は、モバイル/スマートフォン、デジタルコマース、次世代ペイメント、ビッグデータで、共同企画/共同開発/商品連携/サービス連携/人材交流を行うという。
「グローバル展開」では、今回の業務提携を契機にグローバル展開についても共同で推進。グローバルでの競争力を高めるため、日本と同等の品質を「低コスト」かつ「スピーディ」に市場に展開することを実現のため、ソリューション展開、プラットフォーム展開やアウトソーシングの活用、グローバル視点でのR&Dを共同で推進していく。