サイレックス・テクノロジーは1月15日、無線LAN規格IEEE 802.11a/b/g/nに準拠した組み込み用ワイヤレスブリッジモジュール「SX-680」を発表した。1月21日より出荷を開始する。
同製品は、高性能CPUボード上に独自に最適化した無線LANドライバとIEEE 802.1X対応セキュリティサプリカントが実装された有線/無線LANのブリッジ製品で、組込機器のイーサネットインタフェースに接続するだけで、安定した通信と高度なセキュリティを持った無線LAN対応機器に変換することができる。無線LANモジュール部分は、すでに産業用途で数多くの採用実績があるサイレックスのPCI Expressタイプ「SX-PCEAN」を採用している。
「SX-PCEAN」は、すでに業務用機器への組込モジュールとして病院や工場などの現場で求められる高い通信の安定性、信頼性を実現している。5/2.4GHz帯のデュアルバンドに対応しており、電波干渉を考慮した無線ネットワーク設計が可能。また、IEEE 802.11n使用時には2×2MIMOに対応しており、高速通信(理論値:300Mbps)が可能だ。
さらに、ブリッジ機能モードオプションとして、2つのモードから任意の方法を選択可能だ。1つ目のシングルクライアントモードは、1台の機器を有線LANから無線LANへ接続し、接続対象機器のMACアドレスを透過的に利用するモードで、一方のマルチクライアントモードは、有線LANポートからHUBを経由接続し最大16台までの有線LAN搭載機器を無線LANに接続するモードで、無線LANでは同製品のMACアドレスを利用することとなる。
この他、組込対象機器が、エンドユーザの大企業ネットワークで利用されるケースや、扱われる送信データの高い情報秘匿性を求められるアプリケーションでも利用できるよう、WEP、WPA、WPA2の暗号化に加えて、エンタープライズセキュリティ認証IEEE 802.1Xにも対応している。
すでに特定のアンテナ・ケーブルとの組み合わせで北米、欧州、日本の電波認証を取得しており、機器メーカーの電波法準拠コストを低減することが可能だ。また、指定以外のアンテナを利用する場合、別途認証代行サービスも行っている。
サイレックスでは、同製品を医療機器やFA機器、業務用特殊車両、各種産業用の制御盤や、プログラマブルコントローラをはじめとする様々な用途に対し、無線化の容易さと柔軟なカスタマイズ対応ノウハウによる高い拡張性を両立した、新たな高性能無線LAN組み込みソリューションと位置づけ、オフィス、工場、病院などにおける業務用機器の無線LAN化ニーズの高まりに対応していくという。