安川電機は1月15日、同社が提供する産業用ロボット「MOTOMAN」である「FS100」の専用オプションとなる6軸力センサユニット「MotoFit」を開発したことを発表した。

MotoFitは、アーム先端に6軸方向からの力を検出する高精度センサを組み込むことで、その先に取り付けられるハンドに伝わる微妙な力を検出。それにより、繊細なセンシングを可能とし、これまで熟練の精密部品組立工が行っていたワークの接触・はめ合い位置の探り(反力が最小になる位置)・挿入などの一連の動作をロボットで確実に行うことが可能となった。

これにより、例えばすき間10μm(公差h7/H7)・深さ20mmの円柱形状の金属部品のはめ合いを5秒で行うことが可能だという。これは、従来はすき間10μmのはめ合いを行うためには、ロボット自体の位置決め精度に10μm以下の精度が求められており、組み立てロボットとしては現実的ではなかったものを、人手作業のノウハウをロボットに組み込むことで、ロボットの位置決め精度以上の精密部品組み立てを可能にすることで実現できるようになったと同社では説明している。

また、精密部品の組み立てにおいては、非常に繊細な力加減を要求されるほか、ワークの材質・サイズ・重さにより、力加減が変わってくるが、そうした微細な力加減をロボットにティーチングする力覚制御パラメータ自動調整機能を準備。画面上のガイダンスに沿って操作することで対象ワークに応じた適切なパラメータ設定を容易に行うことが可能だという。

なお、同製品は1月21日より販売を開始する予定で、価格はオープンながら、年間600セットの販売を目指すとしている。

MotoFitを取り付けた状態のMOTOMANの様子