昭和電工と三菱商事は1月9日、ナノテクノロジー分野での活用が期待されている炭素素材「フラーレン」の事業化に向けた戦略的事業提携を行ったことを発表した。

同提携に基づき、昭和電工は三菱商事よりフラーレン製造販売会社「フロンティアカーボン(FCC)」の株式50%を譲り受け、FCCの共同運営会社となる。

フラーレンは直径1nmのサッカーボール状の分子で、有機溶媒に溶け、かつすぐれた電気受容性を持つことから、エレクトロニクス分野、特に有機薄膜太陽電池の負極財などの素材として有望視されている。

昭和電工は、フラーレンと同じナノ炭素素材であるカーボンナノチューブ(CNT)の量産を10年以上行ってきたノウハウを有しており、そこで培ったノウハウをフラーレンにも応用できるとの判断より、今回の提携を決定。今後、FCCと共同でフラーレンの事業化に向け、必要な研究開発やマーケティングを進めていく予定としている。

一方の三菱商事は、フラーレンの製造実績と関連特許、販売ネットワークを有しており、今回の提携により、技術面ならびに販売面の双方で高い相乗効果によるフラーレンの事業化の加速を図りたいとしている。

フラーレンの球棒モデル