新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は1月8日、NEDOが進めてきた「次世代高効率・高品質照明の基盤技術開発」プロジェクトの成果を応用し、NECライティングが100形のハロゲン電球を代替可能な電球形LEDランプ「LDR6L-M-E11」として製品化することを発表した。
日本の商用施設で消費されるエネルギーの約20%が照明であり、電力需要のひっ迫もあり、エネルギー消費量の削減が求められるようになってきた。同プロジェクトでは、そうした課題を受けて、高効率・高品質、かつ低コストの次世代LED照明の実現に向けた技術開発が行われてきており、今回の製品化は、その成果を活用したものとなっている。
用いられた主な成果は2つ。1つ目は、ハロゲン電球を上回る最大光度3300cdを熱問題を解決して実現したこと。LEDチップの発光量は、電力を大きくすれば明るくなるが、電力が大きくなればなるほどチップ温度が上昇し、発光効率が低下していくため、放熱が重要となる。今回の研究では、高度な光学設計によるレンズ効率の向上や、最適なヒートシンク設計による放熱特性の向上などにより、現状のハロゲン電球と同等サイズながらも3300cdの光度を実現。これにより、スポット光で明るさを必要とする商業施設やショーケースなどにおけるハロゲン電球のLED化の推進が可能になるという。
2つ目は、高い電源効率の実現。LEDランプの省エネルギー性の向上を図るためには、スイッチングロスの低減やLEDの順電流の最適化などの課題解決が必要であった。同プロジェクトにおいて、課題の改善を図ることで、電源効率90%超を達成し、消費電力も、NECライティングの100形ハロゲン電球の約1/8となる6Wを実現したという。
また、寿命もハロゲン電球比10倍となる3万時間を実現し、交換頻度の低減など、省資源化にも寄与することが可能になるという。
なお、同成果については2013年1月30日から2月1日まで開催される「nano tech 2013」にて展示される予定となっているほか、製品は1月15日より提供開始される予定だという。