2013年の年頭にあたり、シマンテック株式会社 代表取締役社長 河村浩明氏は、以下の年頭所感を発表した。

株式会社シマンテックより謹んで新年のご挨拶を申し上げます。旧年中は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。

【2012年を振り返って】

2012年もセキュリティの脅威は続きました。昨年は日本においてアンドロイド向けの悪質なアプリが登場し、電話帳の個人情報を抜き取られる被害が多発しました。また、知的財産等の重要情報の不正な取得を目的に特定の企業や団体を狙う標的型攻撃も、企業規模を問わず依然として発生しました。シマンテックでは本年も、これら増大するセキュリティの脅威からお客様の情報を保護していきます。エンドポイントプロテクション、メール&Webセキュリティ、情報漏えい対策ならびにクラウド型セキュリティといった、当社のさまざまな製品による多層防御を、エンドポイントからサーバー、ストレージにいたるまで包括的かつリアルタイムに実現します。

一方、一般消費者のライフスタイルも変化し、PC中心からスマートフォンやタブレットなどのモバイル機器に移行しつつあります。こうしたさまざまなデバイスをまとめて守りたいというニーズにお応えし、昨年、ノートン 360マルチデバイスの提供を開始しました。

さらに、多くの企業が昨今直面しているデータ爆発に対するソリューションとして、昨年、当社バックアップ製品分野における主力製品のNetBackupとBackup Execを刷新し、仮想化対応を強化しました。これにより世界市場に続き、日本市場でもシェア1位になることができました。また、ストレージ管理と高可用性製品分野においても、仮想化対応の強化を進めました。

【モバイルとクラウドのセキュリティ対策で企業の生産性を向上】

現在、ITのコンシューマライゼーション、クラウドコンピューティング、ビッグデータ、ビジネスのグローバリゼーションなど、個人や企業活動に影響するさまざまな事象が進展しています。これらは企業に対して恩恵をもたらす半面、新たな課題を提起しています。例えば、クラウドコンピューティング環境においては、従業員側では私物端末をビジネスで活用し効率性を高めたいというニーズがあるのに対し、経営者側では、情報漏えいやセキュリティ管理上の懸念が浮上しており、これらを同時に実現することがIT部門の喫緊の課題になっています。

この課題に対し、シマンテックは、モバイルアプリケーション管理(MAM)製品のSymantec App Centerや、クラウド上でのシングルサインオンを実現する認証製品といった、先進的なモバイルならびにクラウドセキュリティソリューションを提供することで、セキュリティを担保しつつ、企業の生産性の向上と従業員の業務効率性の改善に寄与します。

【日本市場により根ざした活動】

2013年、シマンテックは引き続き日本への投資を続け、グローバル企業の強みを生かしつつ、より一層日本市場に根差した企業活動を行うことで、お客様の情報における安全を保護します。日本は2012年度上半期(2012年4月~9月期)において高い成長率を見せ、最重要市場のひとつとされています。これをさらに推進していくため、日本のお客様の固有ニーズをくみ取り、それに正面から取り組んでいきます。具体的には「サービス」、「人材育成」、「製品開発」の3つの側面から、日本のお客様のセキュリティや情報保護に関する強いご要望に応えます。

  • サービス面では、2012年11月に開設した東京セキュリティオペレーションセンター(東京SOC)を強化し、グローバルで均一化した高品質な、24時間365日のセキュリティ監視を行うマネージドセキュリティサービスを日本語で提供します。これにより、複雑かつ高度化した現在のセキュリティ脅威からお客様を保護します。
  • 人材育成面では、2012年11月に開校したサイバーディフェンスアカデミーにより、日本企業のセキュリティ専門家の育成に注力します。さらに若年層のセキュリティ人材の底上げのために、昨年に引き続き、高校生向けのコンテスト「サイバーセキュリティ・チャレンジ2013」を実施します。
  • 製品開発面では、エンジニアリング組織であるジャパンデベロップメントセンター(JDC)をさらに強化し、市場環境に合ったテクノロジーとソリューションを提供することで、日本固有のお客様ニーズに対応します。

当社のミッションは、ネット社会においてモバイル、ソーシャルネットワーク、クラウド、仮想化といった新しいトレンドを、企業や個人がセキュリティを担保しつつ、安心してそのメリットを享受できるようにすることです。シマンテックは今年度も、「世界中の人と情報資産を保護し、進化するネット社会に自信と安心をもたらす」ことを社是として、日本企業の情報保護に寄与していきます。