「あれ!? Googleのロゴがいつもと違う!」そんな経験をした方も多いはず。それらの特別なロゴは"Doodle"と呼ばれ、記念日や祝日にちなんで制作される一日限りのロゴだ。本企画では、2012年に数多くのネットユーザーを楽しませてくれたDoodleの中から印象的だったデザインを3つの軸に沿って紹介する。

インタラクションで惹きつけるDoodle

Googleのロゴといえば平面のイメージがあるが、Doodleは遊び心満載。中でもユーザーのクリックに反応して動くインタラクティブなものは人気で、しばしばWeb上で話題になる。

5月23日 電子工学者 ロバート・モーグの誕生日

1934年5月23日に生まれた、アメリカ合衆国の電子工学者 ロバート・モーグは、モーグ・シンセサイザーの開発者として知られる。彼の誕生日にちなんで作られたDoodleは、モーグ・シンセサイザーをモチーフにしたもので、実際に録音・演奏が可能だ。

10月15日 漫画『リトル・ニモ』の連載開始日

コマ割り漫画初期の傑作として、アメリカで広く人気を集め、現在も多くのクリエイターに影響を与えている作品『リトル・ニモ』。本作品がニューヨーク・ヘラルド紙にて連載開始となった1905年10月15日にちなんで作られたDoodleは、クリックで読み進めていくコマ割り漫画だった。

10月31日 ハロウィーン

Doodleは季節の風物詩にちなんでもデザインされ、インターネットユーザーに暦を感じさせてくれる。ハロウィーンでは、横に並ぶ5つのドアをクリックすると、かわいらしいお化けが登場する仕掛け。すべてのお化けが横一列に並ぶと、そのシルエットで「Google」と読めるようになっていた。

時事ネタを盛り込んだDoodle

Doodleは記念日や祝日だけでなく、その日の時事ネタにちなんでデザインされることがある。社会性のある話題に触れることもあり、中には風刺やGoogle社の思惑が反映されたものもある。

1月18日 SOPA / PIPAに対するGoogleの主張

アメリカで物議を醸し出していたStop Online Piracy Act(SOPA)とThe PROTECT IP Act(PIPA)に対して、Googleはロゴを隠すという前代未聞のDoodleで抗議を実施した。ウィキペディア、Craigslistらも抗議運動を実施し、法案の審議は延期されることになった。

ロンドン五輪

2012年の夏はなんといってもロンドン五輪。日本でもメダル獲得数が過去最多と非常に盛り上がりを見せた。開催期間中はDoodleもオリンピック仕様に。注目競技にちなんだデザインが五輪ムードを盛り上げた。

9月27日 Google14回目の誕生日

Google14回目の誕生日を祝ってデザインされたDoodleは、ケーキと14本のローソクがモチーフ。

日本の魅力を世界に発信するDoodle

Googleが選ぶモチーフには、日本の歴史や文化にちなんだものもある。

5月21日 日本で見ることのできる金環日食

この日は、太陽・月・地球が一直線で重なることによって、とても珍しい金環日食が見られる日だった。日本のほか、アメリカ、中国などでも観測することができたが、日本が金環日食の開始から終了までの全行程を観測するのに最も適した場所であると言われていた。

11月10日 忠犬ハチ公89回目の誕生日

東京・渋谷に住んでいた、大学教授であり大変な愛犬家の上野英三郎の飼い犬、ハチ公。死去した飼い主の帰りを渋谷駅の前で待ち続けたという美談で知られる犬の89回目の誕生日にちなんで、哀愁漂うロゴが作られた。ハチ公の口には、飼い主の帽子がくわえられている。

12月3日 Doodle 4 Google 2012で日本一に選ばれた作品

Googleが開催した、日本の小中高生を対象としたDoodleのデザインコンテスト「Doodle 4 Google」のグランプリに神奈川県立大船高等学校2年の加藤鮎美さんによる作品「Next Our Home」が選ばれた。

いかがだっただろうか。こうして2012年のDoodleを振り返ると、その年がどんな年であったかなんとなく思い返せるのがおもしろい。今年もネットユーザーを楽しませてくれるデザインを期待しよう。なお、今回紹介したもの以外にも多くのDoodleが存在し、それらを見ることができる特別ページもあるので、興味のある方はぜひ見てみてほしい。