2013年の年頭にあたり、日本マイクロソフト 代表執行役社長 樋口泰行氏は、以下の年頭所感を発表した。

新春を迎え、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

New Era(新時代への挑戦)

世界的に政治・経済情勢が不透明な中で、当社にとっての2012年は、多くの新製品にも恵まれ、躍進した1年となりました。当社では、2013年度を「New Era」新時代への変革の1年と位置づけ、Windows 8、新しいOffice、Windows Server、クラウドサービス、各種サーバー製品など次々と革新的な新製品の提供を開始し、会社のビジョンとしても「デバイス&サービス カンパニーを目指す」、つまりソフトウェアの力で、革新的なデバイスとクラウドサービスを提供していく、ということでパートナー様との連携も含め、様々な改革を全社挙げて推進しています。

このNew Eraの象徴たる製品が、2012年10月26日に発売したWindows 8です。Windows 8は、Windows Reimagined(Windowsの再創造)として、Windows 95以来の様々な変革を実現している製品であり、新しいユーザーインタフェース、タッチ/マウス/キーボードでの操作性、クラウド/ソーシャル連携など多くの新たな特徴を備えており、すでに全世界で1,500機種、日本においても250機種以上のWindows 8に最適化された新しいデバイスが提供されています。日本のデバイスメーカー様から提供されている機種を見るとその多様な形状、品質の高さ、きめ細かでユーザーフレンドリーな設計など、改めて「Made in Japan」の力強さや誇りを再認識しました。

法人においても個人市場においてもスマートデバイスとクラウドサービスの組み合わせが、新しいワークスタイル、ライフスタイルを実現し、法人の生産性向上や競争力強化、個人のデジタルライフの推進を加速させると考えています。Windows 8は、そういった用途に最適化されたプラットフォームです。

Windows 8と同時にスタートした、Windows ストアにおいて、世界中の開発者によって開発された素晴らしいアプリが日々提供され、その数は急速に増加しています。開発者の皆様にとっても新しいビジネス機会を提供できるものとなっています。

Windows 8の発売を通しての市場全体、お客様からの期待や関心は非常に高く、パートナー様とのエコシステムを通して、2013年はさらにPC/デバイス市場の活性化、そして、少しでも「日本を元気に!」という思いで取り組んでまいります。

ワークスタイル変革の推進

当社が昨年来、強力に提唱させていただいているのが、企業における「ワークスタイル変革」の推進です。日本の企業が国際競争力を向上させ、成長軌道を取り戻すための1つの効果的な取り組みとして、ICTを有効活用したワークスタイルの変革があると考えています。その中で、特にコミュニケーションシステム基盤の変革により、「機動力のある働き方」、「組織の枠を超えた知見/情報の共有」、「会議の高度化・多様化」などを推進していくことで、その企業の生産性向上、競争力や社員の働き甲斐などの活性化につながり、結果としての企業成長につながっていくと確信しています。

2012年後半には、グローバルレベルでのコミュニケーション基盤に当社の製品・サービスの導入を決定いただいた実例として、トヨタ自動車株式会社様や日本電気株式会社様などとの連携を発表させていただきました。また、マイクロソフトグローバル、そして日本マイクロソフトで実践している「ワークスタイル変革」の取り組みを、品川本社オフィスをショーケース化して紹介することで、少しでも日本企業の皆様の参考になればと考えています。

企業のITシステムの潮流として、「Consumerization of IT」(ITのコンシューマー化)、BYOD(Bring your own device)、エンタープライズ ソーシャルの活用などが進む中、情報の安全性・機密性・管理性を保持したまま、企業内・自宅・モバイル環境など場所を選ばずに使用できるWindows 8と、Office 365などのクラウドサービスの連携により、新しいワークスタイルへの変革をご支援させていただきたいと考えています。

若者支援の拡大

ICTの利活用促進やスキル習得機会の提供を通じ、若者の進学・就労・起業を支援する包括的施策『YouthSpark(ユーススパーク)』を2012年11月より日本で開始しました。本施策では、「21世紀の学習環境づくり」、「チャレンジ支援」、「高度人材育成」に焦点を当て、複数のプログラムを3か年計画で展開予定です。若者への直接的な支援のみならず、教職員のICTスキル向上や、タブレット端末や電子教科書など最新の学習環境の導入支援も並行して実施することで、日本の将来を担う世代の国際競争力の底上げと、進学・就労・起業の支援を目指します。また、現役の大学生・大学院生と一緒に学生生活の中でWindows 8のマーケティング活動をしていく「Windows Ambassador」や、Windows ストアを通じた学生が開発したアプリの提供推進など、様々な視点で「若者」への支援活動を展開していきます。

本年も引き続き、日本に根付き、日本社会により信頼される企業を目指し、また日本の復興と発展の一助となるべく、社員一同なお一層努力していく所存ですので、一層のご支援、ご鞭撻を宜しくお願い申し上げます。