就職・転職のための最初のステップが履歴書であることは、欧米も同じ。"CV"や"Resume"などといわれる英文履歴書ではよく、本人を推奨する人を「リファレンス(Reference)」として書き出すことが多い。だがこのリファレンス、必ずしも本人の評価をプラスする材料になっていないようだ。
求人情報サイトのCareer Builderが、採用担当者と従業員の両方からリファレンスの実態を探っている。外資系企業への入社を目指すなら必読だ。
「照会」を意味するリファレンスは、あなたを推薦する人 --新卒なら大学や専門学校の教授、転職なら現職や以前の勤務先の上司や同僚-- を列記するのが定例だ。あなたがいかにすばらしいか、どのような能力があるのか、業績をあげたのかなど、あなたを推薦してくれる人を書く。
Career Builderは今回、約2500人の人事・採用担当者や約4000人の雇用労働者に、このリファレンスについて調査を行った。
それによると、企業の採用担当の80%が実際にリファレンスに書かれている相手にコンタクトをとり、応募者についての意見やコメントを求めたという。このうちの16%は、面接の前にリファレンス先に連絡をとっているという。
では、リファレンスが実際の採用に与える影響はどのぐらいか? 「リファレンス先にある相手と話をして、応募者に対する意見や見方が変わった」という採用担当は69%、しかし、「応募者に対する印象が良くなった」との回答は23%と少なく、「印象が悪くなった」(47%)の方が多かった(「変化なし」は31%)。
62%の採用担当が、「リファレンス先にコンタクトしたが、いい意見を得られなかった」という。それもそのはず、雇用労働者の15%が「相手には知らせずにリファレンスに載せた」と回答。また、採用担当のなかで、問い合わせたところ「リファレンス先の偽造」が明らかになった経験がある人は29%もいた。
このようなことからCareer Builderでは、リファレンスに載せる際は、自分を認めてくれる人や評価してくれる人を選ぶ、相手にきちんと知らせておくなどといったことを勧めている。もちろん、偽造は問題外だ。
なお、リファレンスに挙げる人数だが、「3人以上」が70%。リファレンスを載せないという人も10%いたほか、リファレンスを書き出すのを省略して、「Reference available upon request(ご希望なら推薦者を照会します)」としておく場合も多いようだ。