次から次へとトレンドが移り変わるビジネスの世界、2013年のトレンドはなんだろう。Incが「2013について知っておくべき7つのこと(原題 : 7 Things You Need to Know About 2013)」という記事でいくつかの傾向を挙げている。直接関係ないものもあるが、ビジネスマンあるいは技術者として押さえておいて損はないものを紹介しよう。
1. 健康管理のデジタル化
エクササイズ、睡眠、食事療法やダイエットなど支援するデジタルグッズが豊富になり、健康管理やフィットネスのデジタル管理が進みそうだ。
クリップ型で容易に衣類に装着できるウェアラブルなフィットネス追跡デバイス「Fitbit」は、Bluetoothでスマートフォンと接続し燃焼カロリーから食事までさまざまな記録ができる専用アプリと連携できる。Fitbitの販売台数は2017年に9000万台に達すると予想されており、運動とフィットネス関連のアプリ市場は2016年に4億ドル市場になるとするレポートも出ている。起爆に向けた最初の年となるのが2013年、と専門家は予想している。センサー機能は高度化し、さまざまな形状が可能になっている。デジタル端末を使って24時間365日で健康管理をすることが、近い将来当たり前になりそうだ。
2. 睡眠
こんな時代だからだろうか、米国ではMattress Firm、Select Comfortといったベッドのマットレスメーカーの売上げが伸びているという。マットレスだけではなく、快眠へのニーズを満たすべく睡眠にまつわるものを専門に販売する小売店、睡眠コンサル業もうまれているとか。
ブランド戦略コンサルタントのJohn Parham氏は、「需要と供給という基本的なルールに基づき、トレンドが発展している」と説明、需要の背景については「現代人の睡眠時間は減っているため」とコメントしている。睡眠=リラックスとみてもよさそうだ。
3. 色は青
半期に一度、トレンドカラーを予想するPantone Color Instituteによると、2013年春のトレンドカラーは「モナコブルー」。真っ青ではないが、暗くもない青だ。象徴するものは、安定性と深さなどだとか。
「人々はより思慮深くなり、信頼できるクラッシックなものを求めるようになる」とPantoneのエグゼクティブディレクター、Leatrice Eiseman氏は説明している。先行き不安が残る景気状態が人々の心理に影響を落としているようだ。
4. 教育のオンライン化
ひと頃の「Eラーニング」ブームは去ったかに見えるが、教育分野とオンラインは地に足を付けた形で進展しているようだ。通信教育のような遠隔学習方法のひとつのオプションとしてオンラインコースを提供する教育機関が増えつつあるが、よりダイナミックなイノベーションが進むと投資家らは予想している。記事によると、米国では高等教育を終了する人の比率が横ばいとなっており、これを改善するものとしても期待されているようだ。
5. 製造業が米国にもどってくる
Appleが年末に一部製品の製造を中国から米国に戻す方針を明らかにしたことが記憶に新しいが、中国など途上国の(人件費など)コスト高と3D印刷などの技術革新により、米国の小規模な製造業が復活しそうだ。
たとえば、高価な自転車を製造するSeven Cycles、革やキャンバスなど素材にこだわったバッグを作るArtifact Bag Companyなどは、メイド・イン・アメリカで成功している代表例だ。
6. ロボットの行進
我々日本人には驚きではないが、2013年はロボット技術があちこちに浸透しはじめる年になりそうだ。産業用を中心にロボットがあちこちで使われるようになり、運転もやってくれるようになり、最終的に、われわれの仕事を奪い始めると予想している。