「ビジネスの発展につながる分析を望むなら、担当者があらかじめ頭の中で組み立てたデータ関連図のとおりに数値を出すだけでは十分とは言えません。なぜなら、それは過去のデータを見て一喜一憂しているに過ぎず、担当者も想定していなかったような関連性が発見されたときにこそ、次の施策につながる大きな手掛かりが得られるわけですから」

クリックテック・ジャパン マーケティング統括マネージャの安部知雄氏は取材の冒頭、このように語り、今のBIツールに求められる機能について説明を始めた。

クリックテック・ジャパン マーケティング統括マネージャの安部知雄氏

クリックテック・ジャパンは、「セルフサービスBI」を謳うソフトウェア「QlikView」を提供するベンダーだ。QlikViewは、世界で2万6000社以上に導入され、顧客満足度96%を誇る分析プラットフォームである。システム管理者側でデータ分析用のキューブ設計といった事前作業が必要なく、全詳細データをメモリ上で保持し、表示・検索・分析作業をメモリ上のみで高速に行うため、ユーザーがさまざまなデータを自由自在に軸を変えて見たり、ドリルダウンしたりできるといった特徴を備える。

そして、QlikViewにはもう1つ大きな特徴がある。それが、安部氏が挙げた"想定外の関連性発見"につながる「連想技術」だ。果たして、この技術はどういったものなのか。安部氏の話を基に、その概要を簡単にご紹介しよう。

石油に代わるエネルギー源を発見!? そのときどうする?

「突然ですが、例えば、見たこともない光り輝く球体を自宅の庭で発見したとしましょう。当然、それが何なのかはわかりません。単なるゴミかもしれないし、爆発物かもしれないし、はたまた今まで地球には存在しなかった永久に枯渇しないような新しい安全なエネルギー源になりうるものかもしれません。外側から見るだけでは、単なる球体です。多くの方は、一儲けしようというモチベーションで、ひとまず成分を分析したいと思うはずです」

安部氏は、QlikViewの特徴を説明するためにこうした例を持ち出し、次のように続けた。

「このような物体を分析する際に、あらかじめ質問と答えを想定した分析をするでしょうか? 構成要素が分かっていても、どの成分とどの成分とを組み合わせれば、新しいエネルギー源として使えるのかは、分析を開始してみないと分からないでしょう。以前に何度も同じような物体を分析したことがあるのなら、経験と勘で、一定の仮設を立ててしまうのも可能かもしれません。しかし、理想は、中身を分析していく過程で、いろいろな角度で見たり、いろいろな成分の組み合わせを試したりすることで、その物体から得られる成分同士が宝となり得るか、ゴミとなるかを都度見分けていくことでしょう」

安部氏は、この例え話の中の球体にあたるのが、「企業に潜むデータ」だと説明する。そして、球体から全く新しいエネルギー源を見つけ出そうとするモチベーションと同じく、企業に蓄積されたデータからビジネス上の課題を発見したり、新規ビジネス開発の糸口を見つけたりしたいというモチベーションが、データ分析のスタートポイントだという。

もっとも、従来のBIツールでは、技術的制約により、データに対する分析の切り口やデータの見方を事前に定義しないと分析を開始できなかった。分析していく過程で新たな見方や分析軸が必要となった場合も、分析のモチベーションを持つ本人では、改変作業を行えないのが実情。データが高速で見られるような事前のデータ設計はもちろん、実際の分析過程での改変作業も専門家の支援が必要だ。スピード競争の世の中で、このロスは計り知れない。分析したいというモチベーションを削がれかねない。

対して、QlikViewは、さまざまなソースから取得した詳細データの関連性を、特許取得済みの連想技術によって、メモリ上で自動的に保持する仕組みになっている。データ分析したいというモチベーションを持ったユーザー自身が、画面を操作した瞬間に、その場で高速にデータの表示・検索・分析が可能となる。

しかも、特定の項目を選択すると、それらの関係性を可視化するだけでなく、各項目と関連する項目や関連しない項目が色で示唆される。「選択項目に関連しないデータが見えることで、最初に想定していなかった新たな質問が湧き出てくる」(安部氏)という発展的な分析が行えるという。

「従来のBIでも、あらかじめ想定した質問に対する答えは見い出せます。なぜなら、その通りにデータを表示するように専門家が設計してくれているからです。しかし、冒頭の話でいうと、どの成分とどの成分を組み合わせれば究極のエネルギー源になるのかが分かっているのであれば、そもそもこの球体を分析したいというモチベーションを持つ以前に、即行動に出ていたはずです。それに対して、QlikViewは、分析していく過程で新たな視点や組み合わせを見つけられます。ツールを使いながら、当初は想定していなかった新たな質問と、新たな答えを発見していけるわけです」

では、QlikViewは、具体的にどういったかたちで上記の機能を実現しているのか。その詳細は、12月20日(木)に開催される『BI導入事例セミナー』で紹介される予定だ。自社のビジネスを新たな視点で見直したい方はぜひともご来場いただきたい。