Texas Instruments(TI)は、試験/計測、無線通信、オプティカル・ネットワーキング機器向けに、低消費電力、高性能、基板面積低減を実現するアナログ・フロント・エンド(AFE)「AFE7070/7071」を発表した。
2製品ともに、RF出力範囲は100MHz~2700MHzで、2個の14ビット、65MSPS D/Aコンバータ、プログラマブル・ローパス・フィルタ、RF IQ変調器を1チップに集積している。また、CMOSマルチプレクス入力で7mm角パッケージを採用しているため、ディスクリート製品と比較して、基板面積を80%低減することが可能なほか、消費電力はディスクリート製品比で50%以上減となる325mWを実現、2.1GHz帯で5MHzのWCDMAでは66dB、20MHzのLTEでは61dBの隣接チャネル電力比を提供することができることに加え、ノイズフロアが-142.7dBm/Hzとなっていることから、高い信号品質を実現することが可能となっている。
さらに、出力は最大0.3dBで、周波数は100MHz~2700MHzの範囲でチューニング可能なため、幅広い周波数に対応し、システムの柔軟性を最大化することが可能。
AFE7070は、周波数変換のために32ビットNCO付きの直接デジタル・シンセサイザ(DDS)とLVDS出力バッファを提供していることから、インタフェース配線と外付け部品点数を低減するとともに、オプティカル・ネットワークのタイム・アラインメントと任意波形発生機能のコスト効率を向上することが可能。また、プリスケーラ駆動のために800MHzの集積型LVDS出力をクロックPLLで使用でき、ディスクリート型アナログ-LVDSコンバータを不要にすることができるほか、定振幅変調のために14ビット複合データまたは16ビットNCO位相データの入力が可能となっている。
一方のAFE7071は2個のD/Aコンバータ、周波数可変ベースバンド・フィルタ、IQ変調器、デジタル直交変調補正回路などの機能を集積した無線トランスミッタとなっている。
なお、2製品ともにすでに7mm角のQFNパッケージで量産出荷を開始しており、1000個受注時の単価(参考価格)はAFE7071が11.90ドル、AFE7070が23.75ドルとなっている。また、評価モジュールも供給中で、こちらの単価(参考価格)は各499ドルとなっている。