「どれくらい簡単かというと、お客様が業務の中で使っているExcelレポートとデータを貸していただければ、2、3日後に打ち合わせの場で同じ内容のレポート画面を持参できるんです。画面はダミーではなく、実際に分析できるものであるため、『もうこれだけ十分』と冗談交じりに言ってくださるお客様が多いですね」

アグニコンサルティングでBIソリューションマネージャを務める小川和輝氏は、QlikViewの導入の容易さと操作性の高さについてこのように答える。

QlikViewを選択すると、従来のBI製品の導入作業で問題となっていた部分があっさりとクリアされ、その次のステップから始められるのだという。果たして、次のステップとはどういったところになるのか。小川氏の話を基に簡単にご紹介しよう。

キューブ不要! まずは使って、手早く改善

アグニコンサルティング BIソリューションマネージャの小川和輝氏

一般にBIツールの導入作業では、「キューブ」と呼ばれるデータマートを作成することになる。キューブを変更するには大幅な改修作業が必要になるため、要件定義作業は自然と慎重になり、多くの時間を費やすことになる。

それに対してQlikViewは、キューブの作成が必要なく、手軽に導入できる。すでにあるレポートと同じものを作るのであれば、「大抵、一両日で作業を終えられる」(小川氏)という。変更も容易であるため、実際に動くレポートを見てもらいながら改善を施すといったかたちでイテラティブ(反復的)に導入作業を進められる。

「まずは現状と同じ内容のものを作って、実際に触れながら、スコープを変更したり、見た目を調整したりといったことが可能なんです。最初の面倒な作業をごっそり飛ばしている感覚ですね」(小川氏)

BIツールを価値あるものにするために

BIツールの導入/運用で難しいのは、「使えるようになれば完了」とはいかない点である。毎日刻々と変化するビジネス状況に合わせて、分析機能も適宜修正を加えていかなければ、すぐに使い物にならなくなってしまう。

導入に際しては、そうした事態を防ぐ組織作りも重要になるというのが小川氏の主張だ。

「BIというと難しそうな印象が強いようで、最初にその利用価値を周知してもらわなければ、多くの方が利用するまでには至りません。また、その価値が認知され、利用者が増えたら、今度はリクエストがたくさん集まってきます。それらに短期間で対応していかなければ、やはり『使えない』と判断されてしまう結果になるんです。そうなると、単なるおもちゃにしかならないのがBIツール。なんとしてもそれは避けなくてはなりません。そのためにはやはり、BI利用を推進する担当者を各部署に置いてもらう必要があります」(小川氏)

アグニコンサルティングの顧客であるル・クルーゼでは、そうしたアドバイスの下、BIの活用促進を目的としたランチミーティングを毎週に開催していたという。

「QlikView は"セルフサービス型BI"と謳っているだけあり、導入も利用も簡単で、コンサルタント泣かせのツールではあります。とはいえ、あくまでデータを分析するためのツールですから、何の指導もなく使いこなすというのはやはりハードルが高い。そこをいかにフォローするかでQlikViewの資産価値は大きく変わってくると思います」(小川氏)

では、活用を促進するうえでは、どういったポイントに注意すればよいのか。

その詳細が12月20日(木)に開催される『BI導入事例セミナー』で紹介される予定だ。当日は、小川氏の話にも出てきたル・クルーゼのアジアITマネージャー ダニエル・トラスク氏による講演も用意されている。数値の管理に関わる方々は、ぜひともご来場いただきたい。