ミック経済研究所は12月12日、国内のSaaS型メール配信サービス市場に関する調査結果を発表した。

同調査では、国内の主要SaaS型メール配信サービスベンダーを対象に、各社のSaaS型メール配信サービス売上高推移、および事業戦略について調査。発表によると、2011年度のSaaS型メール配信サービス市場は47億4700万円で、前年度より11.9%増と二桁増だった。

市場の急速な拡大の背景には、スマートフォンが普及したことでEC事業に取り組む企業の増加があり、こうした企業では、顧客(消費者)へのキャンペーン情報提供などのためにメール配信サービスを使用する。特にSaaS型の場合、初期費用を抑えることができることが、リスクを抑えてECビジネスを進めたいユーザ企業のニーズとマッチしていることが需要増大の要因となっているという。

2012年度はiPhoneやiPad、Androidフォン/タブレットといったスマートデバイスの普及が加速していることから、メール配信サービスの利用場面は増えていくとし、こうしたプラス要因を背景に、市場は2012年度も引き続き好調を維持することが見込まれ、市場規模は54億9700万円、前年度より15.8%増となると予測している。

2011年度のSaaS型メール配信サービス市場におけるシェア(2011年度売上高実績ベース)のトップはパイプドビッツの28.7%で、2010年度に続いてシェア1位をキープする結果となった。

続いて、2位はエイケア・システムズで27.4%、3位はユミルリンクで7.0%、4位はアルトビジョンで6.0%、5位はエイシアで3.9%という結果となったが、2012年11月に2位エイケア・システムズと4位アルトビジョンが合併したため、2012年度通期では、SaaS型メール配信サービス売上としてはトップが入れ替わる可能性がある。なお、パイプドビッツはメール配信サービス以外のSaaS事業も拡大させている。

そのほか、注目すべき結果として、5位エイジアの伸長率(対前年)が68.2%となっていることが挙げられている。売上規模に関しては、まだ上位との開きはまだあるものの、同社はクラウドサービスに注力しており、当該売上高は、2010年度が37.5%増、2011年度が68.2%増(いずれも対前年比)で、主要企業のなかでは2年連続で最も成長率が高かった。

国内SaaS型メール配信サービス市場上位5社