STMicroelectronicsは12月10日(スイス時間)、新たな戦略計画を発表した。
同計画はワイヤレス市場における大きな構造変化を受け、1年以上前より進めてきた戦略的再検討の結果だと同社では説明しており、これにより、同社は移行期間を経てST-Ericsonから撤退することを決定。撤退プロセスはすでに始まっており、移行は2013年の第3四半期中に完了する予定。今後は、ST-Ericsonのサプライ・チェーンのパートナー、先端プロセス技術のパートナー、アプリケーション・プロセッサIPのプロバイダとしてサポートを継続していくとする。
これに伴い、新たな戦略として「センス&パワーとオートモーティブ製品」部門と「エンベデッド・プロセッシングソリューション」部門の2つの製品部門を基本として、「MEMS&センサ」、「スマート・パワー」、「車載用製品」、「マイクロコントローラ」、「アプリケーション・プロセッサ&コンスーマ製品」を含む5つの製品分野に注力していくことで、世界水準の技術および製造力を背景に、10%の営業利益率へ短期間で到達することを目標に掲げ、集中と効率化を図っていくとする。
具体的にはMEMS、センサ、パワー・ディスクリート、アドバンスド・アナログで構成される「センス&パワー」とパワー・トレイン、セイフティ、ボディからインフォテインメントに向けた「車載用製品」の2分野における主導的地位の確立を目指すほか、「エンベデッド・プロセッシング ソリューション」部門では、ワイヤレス・ブロードバンド・アクセス機能よりも電子システムのコア部分に注力していくとする。また、「エンベデッド・プロセッシング ソリューション」部門には、マイクロコントローラ、イメージング製品、デジタル・コンスーマ製品、アプリケーション・プロセッサ、デジタルASICが含まれている。
なお同社では、「エンベデッド・プロセッシング ソリューション」部門の2013年の販売対象市場サイズを約1400億ドルと見積もっており、著しいビジネス成長とシェア拡大の可能性があると考えていると説明しているほか、同社社長 兼 最高経営責任者(CEO)であるCarlo Bozotti氏は、「我々の業界には非常に魅力的な可能性があり、半導体は今後も普及し続ける。STの製品は、人々の暮らしを豊かにするエレクトロニクスを様々な場面で支えているが、今回の新戦略計画により、より速く成長し、より利益性を高め、総合的にさらに強固な企業となることを目指す」とコメントしている。