NEC、沖電気工業(以下、OKI)、奈良先端科学技術大学院大学(以下、奈良先端大)は、広域に設置したセンサネットワークの運用管理に必要な通信の消費電力を、従来比50%削減する技術を開発したと発表した。
開発した技術は、「省電力アクセスネットワークの高信頼化技術(担当:OKI)」、「省電力センサ遠隔管理技術(担当:NEC)」、「省電力アクセスネットワーク向け暗号通信路確立技術(担当:OKI)」、「省電力鍵更新技術(NEC、奈良先端大)」。
「省電力アクセスネットワークの高信頼化技術」では、センサおよび無線機(以下、センサ等)を収容するアクセスネットワークにおいて、従来方式と同等の信頼性を維持したまま、より高い省電力効果を実現する省電力マルチホップネットワークを実現。
「省電力センサ遠隔管理技術」では、センサ及びセンサネットワークの状態管理において、必要なセンサのみ管理情報を応答することで管理通信量を削減する省電力センサ遠隔管理プロトコルの実現を行う。
また、「省電力アクセスネットワーク向け暗号通信路確立技術」では、センサ等とクラウド上のサーバとの間の暗号通信路確立処理において、通信管理サーバがセンサネットワークにおける通信量を削減する代行方式の実現を行い、「省電力鍵更新技術」では、センサ集合の包含関係を多角的・多次元的に利用し、定期的な鍵の更新管理と不正なセンサをシステムから切り離す無効化処理における通信量の削減を実現(NEC)、並びにその信頼性評価(奈良先端大)を行う。
三者は、この技術を用い、気温/照度、湿度、放射線量を計測するセンサネットワークを福島県の高等学校に設置し、11月12日から11月16日の期間に実証実験を行い成功したという。
これにより、高い信頼性や安全性を確保しつつ、省電力化が可能であり、広域災害発生時等の電力供給が不安定な状況下でも、センサネットワークを長期運用できることを確認した。