日立製作所は12月7日、情報・通信システム事業の競争力強化に向けた経営リソースの最適配置を目的として、情報・通信機器など向け半導体の自社製造事業を終了すると発表した。
2014年3月31日付で情報・通信システム社 マイクロデバイス事業部における半導体集積回路の製造を終了させる。今後は、情報・通信機器などの日立グループ製品向けを中心に、LSIの開発・設計・品質保証に特化して経営の合理化を図るとともに、製造に関連する人財をはじめとする経営リソースを日立グループ内で最適配置する。人財の移管先などの詳細については、今後検討を進める方針。
日立は1975年に、情報・通信機器向けの半導体集積回路の開発を目的として、デバイス開発センタを設立した。その後、2004年にマイクロデバイス事業部に組織改正し、日立グループおよび社外顧客向けに、情報・通信機器や計測器・医療・産業分野などで用いられる半導体集積回路の設計・開発・製造・販売を行ってきた。
しかし近年、半導体業界では、開発・設計と製造の水平分業化が進展しており、日立でも同事業の競争力の維持・強化に向けて、製造コスト削減や生産効率向上に取り組むとともに、一部製品の生産について外部委託化を推進してきた。こうした中、情報・通信システム事業全体の競争力強化に向けた経営リソースの最適配置を目的として、マイクロデバイス事業部における半導体集積回路の製造を終了させ、外部委託化することを決定した。
なお同社では、ITで高度化された社会インフラを提供する「社会イノベーション事業」のグローバル展開による成長を目指し、中核事業の1つとして情報・通信システム事業の強化を進めている。今回の決定により、グローバルにおける情報・通信システム事業の競争力強化を加速していくとコメントしている。