ワイズテクノロジーは、Citrix HDX 3Dに最適化し、Citrix XenDesktop およびXenApp環境に対応したOSを搭載しないゼロクライアント新製品「Wyse Xenith 2」を発表した。価格はオープンだが、市場想定価格は3万円程度だという。CAD/CAMや3Dソリッドモデル、HDマルチメディアなど、3Dグラフィックスを多用するアプリケーションを管理・配信できる。
「Wyse Xenith 2」は、現行のXenithゼロクライアントをさらに改良し、30%の性能向上とフル稼働時でも7ワット以下の低消費電力を実現する。インタフェースは、DVI、ギガビット対応LAN、USB 2.0×4などで、オプションでIEEE802.11b/g/nに対応する。画面解像度は1,920×1,200に対応。外形寸法はW177×D121×H34mmで重量は650g。
米Dell Wyse マーケティングおよび戦略最高責任者兼顧客対応責任者 ジェフ・マクノート氏は、IDCの調査データを基に、現在24億ドルのワールドワイドの仮想クライアント市場は、2016年には33億ドルなると説明。とくにアジアの伸びが顕著になり、今後4年間で倍になるとした。
また、ワイズテクノロジー 日本法人代表 松浦淳氏は、国内でも数万台規模の全社導入が進み、これまでシンクライアント化が難しかった分野にも浸透してきていると、仮想クライアント市場の伸びを指摘。そして、ワイズの製品が受け入れられている背景として、ソフトウェアソリューションに力を入れている点を挙げた。
ジェフ・マクノート氏が、充実したソフトウェアの1つとして挙げたのが米国で提供しているクラウドベースの管理ツール「Dell Wyse Cloud Client Manager」。このツールでは、スマートフォン、タブレット、シンクライアント、ゼロクライアントなどを一元的に管理できる。日本では来年の早い時期に提供される予定だという。
ジェフ・マクノート氏は「1つのデバイスでユーザーニーズを満たすのは不可能だ。Cloud Client Managerは、ユーザー中心に作り上げたプラットフォームだ」と説明した。
なお、Wyse Technologyは、2012年5月25日、Dellとの買収が完了し、米国ではDell Wyseとなり新たなスタートを切ったが、現在、組織の統合等は考えておらず、当面はこれまでどおりのチャネル体制で販売を継続していくという。