Freescale Semiconductorは、自動車の次世代電子ブレーキ・システム(EBS)ならびに次世代のシャーシ制御システムの実現に向け、Continentalと提携したことを発表した。
同提携により、EBSアプリケーション向けに最適化された高性能クアッドコア・マイコン「QUASAR(Quad-core microcontroller for Automotive Safety And Reliability)」の開発を協力して推進し、Continentalの次世代EBS製品においてインテリジェントな処理性能の実現を目指すこととなる。
同ファミリの最初のデバイスは、Power Architectureテクノロジをベースとする4つのe200z4コアを統合し、2ペアの冗長ロックステップ・コアを採用したクアッドコア車載マイコンとなり、既存マイコンに比べて2倍の性能を実現することが可能になるという。また、4.75MBのフラッシュメモリ、256KBのSRAM、Continentalのフェールセーフ技術の統合により、ISO 26262のASIL-DとIEC 61508のSIL3の安全要件を満たすことが可能なほか、完全な対称性を備えているため、ソフトウェアを安全関連と非安全関連に分割する必要がなくなるという。
さらに、機能コアとチェッカ・コアをベースとする他の利用可能なセーフティ・マイコンと異なり、完全な2チャネル・アーキテクチャを採用しているため、1つのチャネルで偶発的なハードウェア障害が生じても復旧が可能であり、システムのアベイラビリティが高まるほか、明確な分割のもと、独立した実行が可能であるため、カスタマ・ソフトウェアの「仮想ECU」を容易に統合することができるようになるという。
現在、同マイコンは55nmプロセス技術をベースとして開発されているが、将来的には40nmプロセス技術をベースとして性能とメモリをそれぞれ2倍にしたデバイスの開発も予定されているという。また、基本的なEBSシステムの要件を満たすローエンド・デバイスも開発が予定されているという。