シャープは12月5日、3つの光吸収層を積み重ねた化合物3接合型太陽電池セルで、世界最高変換効率となる37.7%を達成したと発表した。
これは、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「革新的太陽光発電技術研究開発」テーマの一環として進められた研究の成果で、産業技術総合研究所(産総研)にて、変換効率が測定された。
化合物太陽電池セルは、InやGaなどの化合物半導体を材料とした光吸収層を持つ高変換効率の太陽電池。今回開発された化合物3接合型太陽電池セルは、InGaAsをボトム層として、3つの層を効率よく積み上げて製造する独自技術を採用したものとなっている。
3つの異なる光吸収層により、太陽光の波長に合わせて効率よく光を吸収し電気に変換することが可能なほか、光吸収層の周辺部を最適処理することで光を電気に変換する面積比を増加させたことで、太陽電池の最大出力が向上した結果、世界最高となる37.7%の変換効率を達成したという。
なお同社では、今回の成果を活かし、今後、集光型太陽光発電システム用や人工衛星などの宇宙用、移動体用などの用途での実用化を目指していく計画とする。