NECと日本マイクロソフト(以下、日本MS)は、今年4月に発表した大企業向けのクラウド事業での戦略協業の具体的な取り組みとして共同開発及び拡販を行ってきた「コミュニケーション・コラボレーションソリューション」の成果を、グローバル情報共有基盤(GISP:Global Information Sharing Platform)とし、NECの全世界のグループ会社265社11万人向けとして採用し、最先端のプライベートクラウドサービスとして構築、導入を開始すると発表した。
GISPは、NECの国内外のグループ会社で個別に整備していた情報システムをグローバルに標準化・一元化し、全社員のID認証、メール、スケジュール管理、ポータル作成、文書等ファイル共有、電話やWeb会議などのコミュニケーションや情報共有(コラボレーション)、在席状況管理などの機能を実現する総合的な情報共有基盤。
GISPと、2010年秋から稼働を開始した統合基幹システム(販売・経理・購買)、グローバル統合SCM、海外CRMシステムとも連携することで、事業と経営のスピードを最大化し、グローバルでの企業競争力の向上を実現する。
NECでは、日本マイクロソフトの技術協力により、2012年度よりGISPの実証評価を行ってきており、2013年度第一四半期よりNEC本体での本格稼働を開始し、海外含むグローバル全社へ順次展開、2014年度上期中には導入を完了する予定。
GISPは、メール、スケジューラ、文書共有、Web会議に加え、グローバルかつ組織を横断したナレッジ共有の仕組みとしてSNS(企業内ソーシャルネットワーク)やWikiも採用し、「コミュニケーション・コラボレーションソリューション」環境のグローバル共通化を実現。PCのみならずスマートフォンやタブレットなどを活用し、移動中・外出中でも必要な情報や人にすばやくアクセスできる環境を整備する。
そして、PCやスマートフォンにデータを残さないセキュリティシステムの導入によりBYOD(私物端末の業務利用)も可能にし、在宅勤務などの多様なワークスタイルに対応するとともに、移動コストの削減も実現する。
また、グローバル認証基盤(NECグローバル全社の社員ID情報を集約し統合管理している認証基盤)との連携によるセキュリティ(文書の自動暗号化、文書ファイルへのアクセス履歴ログの採取)を実現。さらに、既にサービス提供を行っているコミュニケーション基盤クラウドサービス「neo Station-BASE」をベースにNEC独自環境へ適用。システム2重化や安全対策基準への対応をはじめ、誤送信対策など、高セキュリティ・高信頼のコミュニケーション・コラボレーション基盤サービスを提供する。
NECは、今回の自社導入で培ったシステム構築ノウハウと独自の付加機能を2012年4月に発表した「ワークスタイル変革ソリューション」に盛り込むことにより強化し、主にグローバル事業展開を行う企業に対して、クラウドサービスからSI構築サービス(オンプレミス)、クラウドとオンプレミスのハイブリッド型まで、幅広い形態で提供する。