Fujitsu Laboratories of Americaと富士通研究所は、12月3日から6日にかけて、米国テキサス州で開催されるスマートグリッドのイベント「Grid Interop 2012」で実施されるOpenADR 2.0aの相互接続試験に日本企業として初めて参加すると発表した。

スマートシティ全体の需給バランスを維持するための効果的なメカニズムとして、電力逼迫時に需要家に対して節電を促し、ピーク電力の抑制を図るデマンドレスポンス(DR)技術が注目されているが、現在、米国国立標準技術研究所(NIST:National Institute of Standards and Technology)はスマートグリッド全体の技術標準整備を進めており、その一貫として、OpenADRアライアンスがDR関連の標準規格を策定している。

富士通では、OpenADRの開発、普及促進を図るOpenADRアライアンスのメンバーとして、国際標準に対応したDRサービス実現に向けた技術開発に取り組んでおり、今回、DR技術の国際標準の最新規格であるOpenADR2.0aに準拠したDemand Response Automation Server(DRAS)の試作機を「Grid Interop 2012」へ出展し、他社システムとの相互接続を実証する。

相互接続試験の構成

DRASとは、電力会社と需要家との間で、節電依頼や応答などの制御情報(DRシグナル)の送受信を自動的に行う機能を持ったサーバで、例えば、DRASが電力会社から節電要請イベントを受信すると、一般家庭のDRサービスに対応するスマート家電や、ビルや工場などのエネルギー管理システムに対して節電要請イベントを送信する。イベントを受信した需要家側のシステムは、あらかじめイベント受信時の動作を設定しておくことで、自動的に電力の削減が行われるというもの。

相互接続試験では、弊社DRASと需要家側に設置される他社のエネルギー管理システムとの間で、制御情報(DRシグナル)の送受信が正常に行えるかを検証する。

富士通では、今回の実証結果をもとに、国際標準に基づいた相互接続可能なDR基盤の開発を推進し、持続可能なエネルギー社会の実現を目指す。