ソニーは12月3日、高感度・低ノイズを実現する裏面照射型CMOSイメージセンサ技術と複数の波長光源制御、および肌解析アルゴリズムなどで構成される独自の肌解析技術として、肌のきめ・しみ・毛穴・明るさ・色味など、高精度かつ高速に肌解析をする「SSKEP (Smart Skin Evaluation Program:スケップ)」を開発したことを発表した。
美容業界では業務用肌測定機や一般消費者向けの簡易な肌測定機が市販されるようになってきたが、業務用は大型で高額、一般向けは測定項目が少ないなどの課題があり、小型ながら多くの肌情報を手軽に測定することが求められている。
一般的に、肌解析においては、可視光が届く皮膚の表面に加えて、近赤外光でしか届かない皮下の情報を取得することが重要となることから、同技術では、複数の波長光源の出力とCMOSイメージセンサでの撮像の双方を最適に制御することで、可視光から近赤外光の領域まで高感度な撮影を実現し、多様かつ高精度な測定を可能とした。
また、独自のアルゴリズムにより、画像解析技術や形状認識技術による定量評価、画素単位での成分分析による可視化を実現。例えば、肌のきめにおいては、きめの形状や数量、方向などを分析することで、肌のきめの状態を正確に評価できるほか、画素単位で皮膚に含まれるメラニンなどを成分分析することにより、皮膚の表面や内部のしみを可視化することが可能となった。これにより、隠れたしみなど目に見えない肌の情報を取得することが可能になるという。
なお同社では、同技術について、美容業界などのさまざまな新しいサービスや個人向け商品など幅広い用途への活用が期待できることから、肌解析技術の機能拡張に向けてさらなる開発を行っていくとしている。