STMicroelectronicsは、次世代の公共料金メータ、再生可能エネルギー、ヘルスケアなどインターネットに接続される組込機器の追加機能、性能、および効率の要件に対応する32ビットマイコン「STM32 F427/F437」16品種を発表した。
同製品ファミリは、ARM Cortex-M4コアと、豊富なアプリケーションの実行を可能にする1MBもしくは2MBの内蔵フラッシュメモリならびに256KBのSRAMのほか、通信ポートの増設や安全性の強化などが行われたもので、開発者は必要に応じて従来製品(フラッシュメモリ1MB、SRAM最大192KB)から移管することが可能となる。
また、セキュリティの強化として、暗号およびハッシュ・コプロセッサにセキュリティ・アルゴリズムを追加しており、各種セキュア・ハッシュ・アルゴリズム(MD5、SHA-1、SHA-2)、AES GCM(Advanced Encryption Standard Galois/Counter Mode)、およびCCM(Combined Cipher Machine)をサポートしている。
STM32 F427/F437のCortex-M4コアは、CPUとDMA(Direct Memory Access)コントローラの帯域幅を広げる同社のマルチAHBバス・マトリックス、および内蔵フラッシュメモリからのゼロ・ウェイト実行を可能にするART(Adaptive Real-Time)アクセラレータにより、168MHz時に210DMIPS(566 CoreMark)の性能を達成している。
また、コネクティビティ強化が必要なアプリケーション向けに、USARTとUARTを各4個搭載(既存製品は4個のUSARTと2個のUARTを搭載)しているほか、SPIポートも従来製品では3個だったものが6個に増加されている。このほか、I2Cインタフェース用のオプションであるデジタル・フィルタ(3個)により、通信の堅牢性向上が図られている。
なお、同ファミリはすでに主要顧客向けにサンプル出荷を開始しており、2013年第1四半期に量産を開始する予定で、対応パッケージはLQFP100/LQFP144/LQFP176/UFBGA176となる予定だ。