サムコは11月28日、SiCパワーデバイス向けドライエッチング装置「RIE-600iP」の販売を開始すると発表した。

SiCはワイドバンドギャップ半導体として高耐圧、優れた耐熱特性を有しているが、加工においてはエッチングレートとエッチング形状の両立が困難な他、エッチングマスクとの選択比が低いといった問題があった。同製品は、従来のトルネードコイルに改良を加えた新型トルネードコイルの採用により、高真空下で1kWの高周波を安定印加できるのに加え、下部電極昇降ユニットや大容量排気システム(1300L/sec)の採用により、高速で均一性が良く、広いプロセスウィンドウを実現している。

なお、対応ウェハサイズは、最大6インチ×1枚。主な応用プロセスは、SiCパワーデバイス製造工程におけるプレナー加工だけでなく、微細なトレンチMOS構造やビアホール加工およびこれらのマスクに用いられるSiO2マスク加工に対応する。この他、各種センサの製作や医療分野への応用が拡大しているマイクロ流路などのMEMSプロセス向けの石英基板の高速、高精度エッチングにも利用できる。

SiCパワーデバイス向けドライエッチング装置「RIE-600iP」