富士通は11月29日、スマートフォンで手軽に肌状態をチェックできるクラウドサービス「肌メモリ」の提供を開始したと発表した。本サービスは、富士通研究所の画像解析技術により、スマートフォンのカメラで撮影した肌画像から、いつでもどこでも手軽に肌状態の測定が可能となる。
本サービスは、スマートフォンのカメラで撮影した肌画像から、シミ・毛穴・色の状態を測定する機能をクラウドで提供するもの。主に化粧品メーカーや美容・健康関連サービス事業者などに向けて提供するもので、各事業者は、本サービスを活用し、販売促進やコミュニケーションの手段として顧客へ付加価値を提供することができる。
サービスを使用することにより「いつでもどこでも手軽に肌状態をチェック」、「定量的に肌状態を評価」 、「蓄積されたデータから比較機能を提供」、「事業者と顧客の接点の幅を拡大」することができる。
家庭においては、太陽光ほか蛍光灯、LEDランプ、白熱電球、さらにこれらが混在するなど多様な光源が想定され、また撮影環境もさまざまなため、特にスマートフォンによる撮影画像はこうした光の影響を受けやすくなるが、富士通研究所が開発した「カラーフレーム」を使用することで、適切な色補正が可能となり、肌測定がどこでも手軽に行えるようになる。
また、これまで個人が感覚的に捉えていた肌の状態を、シミ、毛穴、色の3点について、同研究所の画像解析技術により数値で定量的に測定。結果は、点数表示されるとともに、撮影した肌が6階調でグレースケール表示されることで、現在の肌状態を客観的に認識できる。
日々撮影する肌データがクラウド上に蓄積されるため、過去の状態や他者との比較が可能となり、これまで使用してきた化粧品と肌状態の変化から、自分に適した化粧品や季節ごとに必要なケアを把握したり、また、蓄積された統計データから平均値との比較や自分の位置づけを知ることが可能となる。
一方、化粧品メーカーや美容関連事業者は、顧客の肌データの変化を直接取得できるため、サービスや商品の企画・開発に活用できる。
さらに、事業者のニーズにあわせて自由にカスタマイズでき、たとえば、他サービスと連動させて新規顧客の獲得や店舗誘導につなげたり、コメント入力やアンケート機能を付けることで顧客の声を直接ヒアリングできるなど、目的に応じた独自のサービスを提供することが可能。
サービス適用分野例として、「本サービスを活用した新サービスによる新規顧客獲得」や「コミュニケーションの幅を広げることによる顧客との接点強化」、「情報拡散を利用した店舗誘導(O2O)への仕掛け」が想定できる。
富士通は、大量データを蓄積、分析する独自のビッグデータ向けクラウド基盤を活用し、化粧品メーカーや美容・健康関連サービス事業者などを対象に、各々のニーズに合わせてサービスを提供する。
サービスの価格(税別)は、初期費用である「初期設定サービス」が50万円から、月額費用である「運用サービス」が4万円から。
同社は、今後、バイタル情報や活動情報、睡眠情報などあらゆるライフログデータを収集・分析し、健康関連企業などと連携し、個人に適したリコメンドやアドバイスを提供するサービスの実現を目指す。