ファイルメーカーは11月28~30日、都内のホテルでプライベートイベント「FileMaker カンファレンス 2012」を開催。29日には、オープニングセッションが開催され、同社社長のBill Epling(ビル・エプリング)氏が講演した。

Bill Epling(ビル・エプリング)氏

同氏は、「FileMaker Goは、製品出荷開始から2年しか経っていないが、FileMaker Goを利用したビジネスの成功例は数多くある。日本は世界シェアの1/4を占める重要なマーケットで、日本から得られるフィードバックに注目している。そのため、トータルなエコシステムを用意しており、すべて日本語で提供している。FBA(FileMaker Business Alliance)は現在114社で36の都道府県にあり、将来はすべての都道府県をカバーしていく予定だ」と述べた。

ファイルメーカーが提供するエコシステム

続いて、FileMaker Proのシニア プロダクトマネージャ Eric Jacobson氏が、FileMaker 12の機能を利用したソリューションを紹介した。

同氏はまず、FileMaker 12で強化されたオブジェクトフィールドを紹介。オブジェクトフィールドは、画像、QuickTimeファイル、録音したサウンド、OLE オブジェクト(Windows)などのファイルを保存することができる。

FileMaker Pro 12では、データベースのパフォーマンスを向上させると同時にソリューションがさらに使いやすくなるよう、オブジェクトフィールドが再設計された。

同氏は、画像についてはFileMaker内でサムネイルを持つことができるため、アプリが軽快に動作する点や、動画も管理でき、FileMaker内で再生できる点を紹介した。

写真を多様する不動産会社のシステムを紹介し軽快に動く様子をデモ

スキューバダイビングのシステムではFileMakerでムービー再生を実演

同氏は、FileMakerにおいてデザインは重要な機能だとし、デザインは見た目をよくするだけではなく、利用者のエクスペリエンスを大きく左右すると述べた。そして、FileMaker Pro 12にはテンプレートとして、16種類のStarter Solutionが揃っており、iPadとiPhone向けに最適化されたレイアウトも含まれていると紹介。デザインのカスタマイズが簡単な点もアピールした。

デザインのカスタマイズ

また、同氏は、iOSによってデザイン革命がおきており、ポストPCの時代に突入している。それにより、iPadだけで簡単なカスタムアプリケーションを作成できるようになったとして、FileMaker Goを利用した食品の安全管理ソリューション「Health Food」を紹介。

「これまで、こういったものは紙で管理しなければならなかったが、FileMaker Goにより、紙をiPadの指の操作に置き換えることができる。これにより、現場の写真をとって記録することもでき、インプットエラーを防ぐこともできる」と述べた。

「Health Food」

加えて、同氏はこういったカスタムアプリを配布する際な便利なファイルメーカー提供の「FileMaker Go App Maker」という無料ツールを紹介。このツールは、データベースのプロファイルをメールで送信し、受け取ったユーザーがそのプロファイルを実行すると、iPhoneやiPadのホーム画面にショートカットを追加する。そのため、管理者は簡単にアプリの配布ができるという

「FileMaker Go App Maker」でiPhoneやiPadのホーム画面にショートカットを追加