パナソニック デバイス社は11月27日、サーミスタ内蔵水晶発振器や各種モジュール、およびスマートフォンなどの高機能携帯端末の薄型化、高性能化に対応可能な厚み0.15mmの0603サイズ低背チップ形積層サーミスタを製品化したことを発表した。
一般にチップ形積層サーミスタは、製品に内蔵する内部電極間の抵抗と、さらに内部電極と端子電極間の抵抗を足し合わせた合成抵抗が、その製品の抵抗値になり、低背化する場合、この内部電極間の厚みや内部電極と端子電極間の厚みを薄くしていく必要があるが、抵抗値のバラつきが大きくなるという課題があり、低背化と抵抗値の狭許容差化(±1%)の両立が困難であった。同製品では、内部電極を形成する積層プロセスの精度を向上させることでこうした課題を克服、従来品比約1/2となる厚み0.15mmと高い抵抗値精度の両立を実現したという。
また、独自の材料およびプロセス技術の採用により、耐性が高く、外的要因を受けにくい独自の製品構造を実現しており、これにより、各種機器におけるリフロー実装時の加熱や実際の使用環境においても抵抗値変化が小さく、高い抵抗値安定性を実現したという。具体的には抵抗値は初期値からの変化が±1%以内で、B定数は、従来品比で、変化率が約1/2となる初期値からの変化±0.5%以内を実現したという。
なお、同製品のサンプル出荷は2012年12月から、量産開始は2013年1月からそれぞれ予定されており、サンプル価格は5円、量産時の規模は月産1000万個が計画されている。