仏アルデバラン・ロボティクスは、2010年からスタートさせた同社の2足歩行ロボット「NAO」(画像1)を教育現場に導入するための「教育パートナーシップ・プログラム」により、同社の学術パートナーが世界で500を超え、NAOが中~高等教育の現場で世界的に知名度の高いプラットフォームとなったことから、中等教育の要望に応えた新たな教育ソリューションを12月に提供するとした。

画像1。NAO。正確には新型のNAO NextGen

12月から同社同社が提供するのは、中等教育も視野に入れて開発されたNAOの足首部分のサブセットである新製品「NAO Ankle(足首) Kit」用の中等教育向けコンテンツだ。同製品を用いることで、機械や電気がどのように作用しているか理解を深めることができるとしている。またこのターンキーソリューションは、各教育課程にあったコンテンツを教育機関側に提供するとした。

ちなみに、NAOは世界で最も利用されている量産型のヒューマノイドロボットで、中等教育機関に限っても世界の200以上の学校で、科学とエンジニアリング学習に活用されている。

実は、世界で初めてNAOを採用した教育機関は、東京大学大学院 情報システム工学研究科で、2010年に30台を導入している。修士課程の学生によるチームの1つは、複数のNAO同士がコミュニケートし、複雑さの異なるさまざまな仕事を成し遂げるために協力することのできるようなシステムを開発している。以下の動画で、東大におけるNAOを利用した教育の説明を見ることが可能だ。

直観的なプログラミング環境を持つNAOは、生徒に情報工学の初歩を教えるだけでなく、抽象的な概念の説明、数学の定理や物理・電子の原理の解説、またメカについての教育に応用することも可能だ。同社は、NAOで科学の実験や分析といった体験をすることは、12歳から18歳の生徒たちのモチベーションをアップさせる原動力となるだろうとしている。

また、同社の創業者であるブルーノ・メゾニエCEOによれば、「学校にNAOがいることで、学生たちはイノベーションの具体的な応用に対面することができるでしょう。ヒューマノイド・ロボットは最も前衛的な科学技術を連合させた最先端テクノロジーの集大成なのです」と語っている