NECは11月26日、インターネットやモバイル通信網(3G / LTE)において、変動する通信スループット(単位時間あたりの通信可能データサイズ)を高精度に予測する技術を開発したことを発表した。同技術は、ネットワーク上に新たな通信装置を追加する必要がなく、アプリケーションソフトウェアのみで動作する。
インターネットやモバイル通信網など、通信品質が保証されないベストエフォート型ネットワークは、他のユーザーの通信状況や電波状況により通信スループットが変動する。この通信スループットの変動は、コンテンツ配信事業者などにとってサービスの品質に影響を与え、通信遅延や画像劣化などの原因ともなっている。
今回、同社が開発した技術は、3分後までの通信スループットを予測するもので、シミュレーションでは、約80%の精度で予測できることが実証されたという。
同技術を利用することで、予測された通信スループットに応じて映像や音声、画像などのコンテンツを制御して、安定した映像配信サービスや応答性の高いWebサービスなどが提供できるようになる。また、アプリケーションソフトとして導入できるため、通信装置を持たないクラウドサービス事業者なども高品質なサービスを提供可能だという。