NECは11月22日、DNAの抽出から解析までのプロセスを一貫して行うことのできる現在開発中の個人識別用「ポータブル型DNA解析装置」の精度について、科学警察研究所と共同評価を実施したと発表した。
両者は共同評価の第一弾として、10月24日から11月7日に、科学警察研究所の提供するDNAサンプルを用い、実用化を視野に入れた評価を実施。従来のDNA解析手法による解析結果と比較し、将来を期待するに十分な精度と再現性を有する結果となったとしている。
「ポータブル型DNA解析装置」は、装置と消耗品である解析チップ(解析するためのプラスチック板)および試薬パッケージで構成され、解析チップおよび試薬パッケージを装置と組み合わせることで、一般に解析作業で必要とされるピペットを用いた解析が不要。
DNA解析は、「細胞の採取」「DNAの抽出」「DNA量を増やすPCR増幅」「DNAの大きさを調べる電気泳動」「個体差を判別するSTR解析」といった5つのプロセスから成り立ち、「ポータブル型DNA解析装置」は、これらを一貫して行うことができる。
これにより、DNA抽出プロセスから解析プロセスまでの作業を短縮し、今回の評価機で実施する全工程は約60分で完了した。
なお、装置の大きさはおよそスーツケース大となっている。