山梨県、NTTデータ、NTT東日本は、山梨県の富士河口湖町および甲府市において、外国人観光客の集客および購買促進に向けたフィールドトライアルを、11月22日から開始すると発表した。
近年、訪日外国人観光客の数は増加傾向にあり、その多くは、経済成長に伴い富裕層や中間層の数が拡大している中国、タイ、シンガポールなどのアジア各国からの旅行者だという。
彼らの旅行スタイルは従来の格安の団体ツアーから、より時間をかけて自由に日本ならではの自然や温泉、地域の食べ物、ショッピング等を楽しむ個人旅行へと移行してきており、個人旅行者は訪日外国人旅行者の7割を占めるという。
また彼らの個人旅行スタイルとして、日本以上に普及しているスマートフォンやタブレット型端末などを持参し、旅行先でもインターネット経由で現地の観光情報を収集したり、SNSを通じてリアルタイムに旅行記を発信したりする楽しみ方が定着してきており、無料で使用できるWi-Fiスポットのある場所には外国人観光客が集まりやすい傾向があるという。
今回、11月22日より山梨県、NTTデータ、NTT東日本の三者共同により、Wi-Fi環境とそれを用いて配信する各種コンテンツを提供することで、外国人観光客の集客および購買促進に向けたフィールドトライアルを開始する。
フィールドトライアルでは、20の協力店舗・施設等のWi-Fiスポットにおいて外国人観光客向け「クーポンカタログ」、「口コミレビューサイト」および「お土産購入ECサイト」を提供し、山梨県内の観光地における周遊や購買促進を図る。
「クーポンカタログ」の配信では、本トライアルに協力する20箇所の店舗・施設に設置したWi-Fiスポット「光ステーション」において、トライアル参加店舗・施設の商品・サービス情報のほか、観光地の産業的文化的背景や特色に関する情報および、割引やプレゼント等、各種特典が受けられる中国語版「クーポンカタログ」をスマートフォン、タブレット等向けにダウンロード配信する。
「口コミレビューサイト」の提供では、中国人観光客の消費行動を左右するといわれる口コミ情報に着目し、旅行者のSNSへの書き込みを「口コミレビューサイト」に直接反映させることにより、観光客による投稿と店舗情報とを一括表示し、母国語での口コミ促進を図り、山梨県を訪れる中国人観光客の購買促進を狙う。
「お土産購入ECサイト」の提供では、 直接行くことのできなかった観光地の土産物購入や、買い忘れ等に起因する購買需要を喚起するため、インターネット経由で山梨県の各観光地における名産、特産等の土産物を購入できる「お土産購入ECサイト」を提供する。
トライアル実施期間は、11月22日から平成25年3月31日まで。また、本トライアル中にも、将来展開を見据えAR(拡張現実)を活用したサービス等も順次追加していく予定であり、トライアル終了後、ECサイト等については事業性を判断し平成25年度中の事業化を目指す。