日本IBMは11月20日、Webサイトを訪れる顧客の行動を分析し、結果に基づいてWebサイトの変更や電子メール配信を行うなど、個々の顧客行動に応じてリアルタイムに適切なマーケティング活動を実施するためのクラウド・サービス「IBM Marketing Center」の販売を開始すると発表した。

IBMの目指す「スマーター・コマース」統合されたバリュー・チェーン

本サービスは、マーケティング担当者向けにSaaSで提供、ブラウザを導入したパソコンからインターネットを介して簡単に利用できる。また、Webサイト上の顧客行動を分析する機能や、個々の顧客に応じたコンテンツをWebサイトに表示する機能、電子メールによるマーケティング機能など、従来は個別に提供されていた機能を統合し、ワン・ツー・ワン・マーケティングに必要な機能をワンパッケージにしている。

例えば、マーケティング担当者が、Marketing Centerを活用し、ある商品の販売を促進するためのキャンペーンを開始したい場合、まず、その商品に対する過去のWeb購買履歴を分析し、キャンペーンの対象者を絞り込む。ソーシャル・メディアから商品を購入することが多い顧客にはソーシャル・メディア、モバイル・アプリから商品を購入することが多い顧客にはモバイルなど、それぞれにとって便利なチャネルから購入できるように、電子メールやWebサイトのコンテンツを顧客に応じたものとする。

電子メール送信やWebサイト更新のスケジュールを定義し、テストを行った後、Marketing Centerにより自動的に実行される。さらに、販売状況だけでなく、電子メールやWebにおけるどのような活動が販売に効果的につながっているのかを数値やグラフで確認でき、次の活動の策定につなげる。

本製品の使用料金は、月間のサーバ呼び出し回数(Webサイトへのアクセス数)や送信する電子メール件数に応じて設定され、小規模な構成(Webサイトへのアクセスが月間900万件以下、メール送信が月間20万件以下の場合)では、1年間で1,000万円程度となる。