STMicroelectronicsは、スマート・メータや医療機器・産業システムなど、正確かつ安定した時間測定が求められる装置向けに、省電力な高精密温度補償型リアルタイム・クロックIC「M41TC8025」を発表した。

同製品は温度補償機能使用時の通常消費電流0.8μA(供給電圧3.0V時)を実現していることから、スマート・メータの稼働コストをより消費電流の多い競合製品に比べ低減することができるほか、バッテリ駆動機器の寿命を延長することが可能となっている。温度補償機能は、-40℃~+85℃までの規定温度範囲全体に対して1年あたり2.5分以下(±5ppm)の精度を保証しているため、季節や天候に関係なく、メータ・アプリケーションでの正確な時刻記録や料金切り替えが可能になるという。

また、スマート・メータ・メーカーが、沿岸部などの屋外の厳しい環境での使用を目的とした腐食試験を実施したところ、機能的に同等の他製品を上回ることが確認さたという。

正確な日付・時刻情報(年、月、日、曜日、時、分、秒)を生成すると共に、アラーム、定周期タイマー、時間更新割り込み、プログラマブルな周波数出力(1Hz/1024Hz/32768Hz)などの様々な機能を内蔵しており、システム設計を簡略化することが可能なほか、正確な時刻を参照するために温度補償型水晶振動子(32768Hz)が内蔵されているため、部品点数を最小化することができ、システム・ハードウェア設計の容易化が可能になるという。

なお同製品は、すでに表面実装型パッケージ(SO-14)で提主要顧客向けにサンプル出荷中で、2012年11月に量産を開始する予定だという。単価は、1000個購入時に約2.8ドルとなっている。

STの高精密温度補償型リアルタイム・クロックIC「M41TC8025」のパッケージイメージ