既報の通り、ライムライト・ネットワークス・ジャパンは11月15日、「デジタル・プレゼンスの向上で実現するビジネス戦略」と題し、米国本社会長兼CEOジェフ・ランズフォード氏による報道関係者向けの説明会を開催した。この説明会は、同社のデジタル・プレゼンス・マネジメント・サービス「オーケストレート」の国内販売にあたって行われたもので、日本のメディア産業やメーカーなどを主ターゲットに、広報・マーケティング業務のアウトソーシングを一貫し推進する構えを見せた。

ライムライト・ネットワークスAsia Pacific及び日本代表アンディー・クラーク氏

デジタル・プレゼンス・マネジメント・サービスとは、言うならば、多チャネル横断型のリッチコンテンツ管理プラットフォーム。WebやiPad、スマートフォン、リビングのモニタなどのコンテンツ配信チャネルにおいて、いずれにおいても同じ質でリッチコンテンツを楽しむことができるというのが最大の特長だ。

プレゼンテーションの冒頭、同社Asia Pacific及び日本代表のアンディ・クラーク氏は、「5期目を迎えた日本法人が、四半期ごとに10%の成長を見せている」と述べ、その背景として「end to endの配信」のニーズに応えつづけていることがあると指摘。モバイルへの配信と個々の興味の多様化に対し、あらゆるデバイスにおいても視聴できるリッチコンテンツの質や安定した表示速度が評価を得ていると強調した。

ユーザーの動線を分析しパフォーマンスを最適化

「今まさに、企業はデジタル媒体上で特徴を打ち出し、パフォーマンスを最適化すべきだ」

ライムライト・ネットワークス会長兼CEOジェフ・ランスフォード氏は、自身のプレゼンテーションの中で、そう繰り返した。なぜなら、受益者(ユーザー)は直接商品やサービスのメリットを享受する前に、必ずデジタルメディアでそれらの情報を得て、より詳しい情報収集や購買といったアクションに進む起動力とするからだ。

ライムライト・ネットワークス会長兼CEO ジェフ・ランズフォード氏

Amazonやソニーなど、グローバル企業1500社以上の導入実績からフィードバックされた効果が、パフォーマンス最適化の必要性を裏付けているという。

「最適化」とは、さまざまなモニタで精度の高いコンテンツを配信するだけではない。顧客の属性ごとに最適なコンテンツを配信しているか、収益に結びついているかなどについて、達成状況を10のレベルに分け、分析し改善するまでを「最適化」と定義する。例えば、SNSで高評価のレビューが付与される、Eコマースを通じて購入するといったことも達成状況として示す。統計では、Webへの滞在時間が40%増加したという報告も出されている。一方マクロ的な視点では、営業につながる顧客とのネットワークが構築される、データ管理の集中化などが企業のデータ管理上、「最適な状態に到達した」といえるという。

これらの分析を支えるのが、全米の名だたる企業からフィードバックされたノウハウと、それらを評価してきたプロフェッショナル集団だ。現在は日本において4名のコンサルタントが常駐し、今後の国内展開に対応していくという。

一元管理をアウトソーシングし、他メディアと連動できるメリット

「オーケストレート」導入・運用面でのメリットとしては、SNS、スマートフォン、Webなどデバイスごとに管理していた情報やコンテンツを一元管理し、一貫してアウトソーシングできるという点にある。これによりIT部門の業務負荷が軽減されるほか、初期・運用コストを一元化することによるコスト削減が実現する。またコンテンツはAPIによってSNSやGoogle Analiticsなどと連動でき、プラットフォームにしばられることのない柔軟な運用が可能となっている。

こうした有効性が明らかとなり、同社は今後、リッチコンテンツのニーズが高い日本市場をはじめ、スマートテレビの需要が増加しているアメリカや韓国での販売を拡大していく意向という。