東芝は11月15日、今後成長が見込まれる車載ならびに監視カメラ市場向けCMOSイメージセンサ市場に参入することを決定、第一弾製品として、明暗差が大きい場所でも高品質な画像が撮影できる独自のHDR撮影機能を搭載したCMOSイメージセンサ「TCM5114PL」を製品化し、2013年3月に量産を開始すると発表した。
同製品は、明暗コントラスト比が高い被写体において、明暗諧調を広げて被写体を自然に映し出すことが可能な「HDR撮影機能」を搭載。ラインごとに短時間露光と長時間露光を同時に撮影し合成を行う2重ライン露光方式を採用することで、静止したシーンのみならず、動画での明暗コントラスト比の大きい被写体でも、100dB相当の階調で画像を映し出すことができるようになったという。
また、5.6μm×5.6μmの画素ピッチを採用することで、従来センサでは捉える事が難しかった微小な光を捉える事が可能となり、約0.2lux相当の月明かりの下などでも、被写体を明るく映し出すことが可能になったとするほか、独自の高信頼性プロセスの採用により、10年感24時間稼働も可能になるという。
さらに、YUVなどのデジタル出力に加え、NTSC/PAL形式のアナログ出力を備えているため、既設の表示パネルへの接続も可能なほか、外部からの電源を3.3V単一としたことで、カメラシステムの部品点数の削減と実装基板の小型化が可能になったという。
なお同製品のサンプル出荷は11月中より開始され、サンプル価格は2000円。量産規模は月産20万個で、同社では今後も市場ニーズにマッチした新製品の開発・販売を行っていくことで、2014年度で市場シェア30%を目指すとしている。